11月3日は“晴れの特異日”ではない

まず,“特異日”というのは,『気象科学事典』によると

暦の上の特定の日に,ある特定の気象状態が現れる割合が前後の日に比べて高い日

です。

また,以下の話は本ブログ能天気Express~新世界版~  10月10日は晴れの特異日ではなかったと同様にあくまで東京ローカルの話です。

さて,11月3日は晴れの特異日といわれています。しかし,実はこの日だけでなく,この日の前後は晴れることが多いです。東京における1989~2006年の晴天率を調べると,11月2日78%,3日67%,4日83%,……となります。

ちなみに,ある日の天気を晴れとするかそれ以外とするかについては明確な規定があるわけではないので,晴天率の数値は統計期間が同じでも調査(する人)によって多少違うことがあります。

67%ではとくに晴れやすいということもないし,致命的なことに前後の日より率が低いのですから,もはや11月3日は晴れの特異日などとはいえないでしょう。

今どきいないと思いますが,もし得意になって「11月3日は晴れの特異日」とか話しているお天気キャスターがいたら,ウソつくな!! ちゃんと調べていってるのか!!と文句をいいましょう(笑)

このように今では落ちぶれている11月3日にも,かつては栄光の時代がありました。1881-1955年の75年間の晴天率は2日が54%,4日が52%なのに対し,3日は67%でした。それでも67%だからとくに高いとはいえませんが,1921-1955年に限定すると晴天率は70%を超えていました。

そういうわけで,いずれ11月3日の逆襲がはじまるかも知れません。