東京で21年ぶり4月の雪(1956年)

1956年4月1日,朝から降り出した雨は15時30分には雪に変わり,23時には積雪3.0cmを記録しました。

4月の降雪は1943年以来13年ぶり,積雪は1935年以来21年ぶりのことでした。

この日,千代田区千鳥ケ淵公園に五つのテントを張り「即時帰国の具体策」を要求して座込みをつづける在ソ同胞の留守家族たち約二百人には無情な雪だった。座込みの人たちはあわてて火バチや木炭を調達し寒いテントの中で毛布にくるまっていたが,この人たちに同情してお菓子,薪,金一封を贈る人たちもあって留守家族たちを感激させ,また激励電報も数十通寄せられた。しかし“シベリアの寒気”と“留守家族の座込み”――何かしらの結びつきのありそうな,寒い春の雪であった。

(2日付毎日)

また,この日は隅田川で早慶レガッタが行なわれました。メルボルン五輪の関係で例年より早い開催でしたが,それがアダとなり,朝からの雨が対校エイトのころには吹雪,早慶レガッタ史上初の雪中レースとなりました。慶應が5艇身差で5年ぶりの勝利を飾っています。

ちなみに,有名な“あらしのボートレース”は翌年の早慶レガッタでのできごとです。これについてはあらしのボートレース | 能天気Express~新世界版~をご覧下さい。

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