今度の日曜は日本ダービー

昨日のオークス,放馬が1週間早かったですね(笑)>岩田康誠

というわけで,今週の日曜は日本ダービーですね。今年と同じ5月31日に日本ダービーが行なわれたことは過去4回あります。それはおいおい見ていくとして,今日5月25日に行なわれたことは6回あります。その中で印象深いのは次の2レース。

1969/05/25 第36回日本ダービー,田んぼのような泥んこの馬場の中,スタート直後に1番人気の抽選馬タカツバキが落馬するという波瀾の展開。また,優勝したダイシンボルガードの石田廐務員がゴール前の激しいたたき合いに興奮してレース中にもかかわらず本馬場に飛び出すという大珍事も発生

1975/05/25 第42回日本ダービー,前半1000m通過58.6秒の超ハイペースで飛ばしたブラヤオーが,最後バタバタになりながらも逃げ切り勝ち。鞍上の菅原泰夫は前人未踏の春のクラシック完全制覇。盛山アナ「カブラヤオーがんばれがんばれ,カブラヤオー勝てそうだ勝てそうだ」の名(迷!?)実況

ここでは1969年のほうを取り上げます。カブラヤオーのダービーについては5月25日のダービー | 能天気Express~新世界版~をご覧ください。私はカブラヤオーが史上最強のダービー馬だと思っています。

さて,1969年の5月は,

  • 17日……メイストーム,東京で瞬間風速20.4m/s
  • 19~20日……“新緑寒波”,日光0.1℃,長野4℃,舞鶴5℃,岡山6℃

などなど,“天候異変”が続いていました。5月というより,この年は1月からおかしいといえばおかしかったのですが,詳細は省きます。

そして24日,気象庁から低気圧に関する情報が発表されました。

海山は大荒れ,ダービーは重馬場 「低気圧情報」出る

「二十五日は海,山は大荒れ,ダービーは重馬場」――と気象庁は二十四日午前十一時十分,日曜行楽や競馬ファンには気になる低気圧情報を発表した。黄海にある低気圧(九八八ミリバール)が二十四日午後から発達しながら南岸沿いに進む見込み。西日本はすでに風雨が強まっている。

 低気圧が進むにつれ,東海から関東地方も風雨が強まり,二十五日いっぱい山は大荒れ,海は大シケ。関東地方平野部も二十四日夜半から二十五日午前中は雨になり雨量は二,三〇ミリに達する見込み。

 このため,同庁は二十五日の登山は見合わせるよう警告,海上でも十五メートル以上の風が吹くので厳重注意を呼びかけている。

(24日付毎日夕刊)

ダービー当日の東京競馬場は,この低気圧と前線の影響で前夜から雨が降り続き,レース直前には小降りになったものの田植えのあとの田んぼのような不良馬場。1968年以降はカラー映像が残っていますが,私が見た限りその中で最も悪い馬場と思われる馬場です。

そんな泥んこ馬場にもかかわらず,スタートして2F目のハロンタイムが10.5秒ですから,かなり激しい位置取り争いがあったことが想像できます。それに巻き込まれる形で,1番人気のタカツバキが落馬するというアクシデントが発生しました。1番人気といっても,道悪得意ということで祭り上げられた感のある1番人気です。2番人気はやはり道悪得意のギャロップでした。

このタカツバキの落馬については,タカツバキのような抽選馬がダービーを勝ってしまっては馬産システムが崩壊するから落馬するであろう,と予言していた人がいたという有名な謀略説があります。

ゴール前でも珍事が発生。ダイシンボルガードの石田厩務員がレースの最中にもかかわらず思わず馬場に飛び出して「オレの馬だ!!」と叫びながら走っている姿が映像として残っています(フジテレビのビデオには写っていない。ついでに,タカツバキの落馬も写っていません。フジテレビの競馬中継は当時からダメでした)。あんな泥んこ馬場を走ったのでは,この厩務員さんはかなり泥だらけになったことでしょう。

ちなみに,1968年12月に近くて起こった3億円事件の記憶も新しく,売上金56億円など現金輸送は厳戒態勢で行なわれそうです。

にほんブログ村 環境ブログ 天気・気象学へ

今度の日曜は日本ダービー

昨日のオークス,放馬が1週間早かったですね(笑)>岩田康誠

というわけで,今週の日曜は日本ダービーですね。今年と同じ5月31日に日本ダービーが行なわれたことは過去4回あります。それはおいおい見ていくとして,今日5月25日に行なわれたことは6回あります。その中で印象深いのは次の2レース。

1969/05/25 第36回日本ダービー,田んぼのような泥んこの馬場の中,スタート直後に1番人気の抽選馬タカツバキが落馬するという波瀾の展開。また,優勝したダイシンボルガードの石田廐務員がゴール前の激しいたたき合いに興奮してレース中にもかかわらず本馬場に飛び出すという大珍事も発生

1975/05/25 第42回日本ダービー,前半1000m通過58.6秒の超ハイペースで飛ばしたブラヤオーが,最後バタバタになりながらも逃げ切り勝ち。鞍上の菅原泰夫は前人未踏の春のクラシック完全制覇。盛山アナ「カブラヤオーがんばれがんばれ,カブラヤオー勝てそうだ勝てそうだ」の名(迷!?)実況

ここでは1969年のほうを取り上げます。カブラヤオーのダービーについては5月25日のダービー | 能天気Express〜新世界版〜をご覧ください。私はカブラヤオーが史上最強のダービー馬だと思っています。

さて,1969年の5月は,

  • 17日……メイストーム,東京で瞬間風速20.4m/s
  • 19〜20日……“新緑寒波”,日光0.1℃,長野4℃,舞鶴5℃,岡山6℃

などなど,“天候異変”が続いていました。5月というより,この年は1月からおかしいといえばおかしかったのですが,詳細は省きます。

そして24日,気象庁から低気圧に関する情報が発表されました。

海山は大荒れ,ダービーは重馬場 「低気圧情報」出る

「二十五日は海,山は大荒れ,ダービーは重馬場」――と気象庁は二十四日午前十一時十分,日曜行楽や競馬ファンには気になる低気圧情報を発表した。黄海にある低気圧(九八八ミリバール)が二十四日午後から発達しながら南岸沿いに進む見込み。西日本はすでに風雨が強まっている。
 低気圧が進むにつれ,東海から関東地方も風雨が強まり,二十五日いっぱい山は大荒れ,海は大シケ。関東地方平野部も二十四日夜半から二十五日午前中は雨になり雨量は二,三〇ミリに達する見込み。
 このため,同庁は二十五日の登山は見合わせるよう警告,海上でも十五メートル以上の風が吹くので厳重注意を呼びかけている。
(24日付毎日夕刊)

ダービー当日の東京競馬場は,この低気圧と前線の影響で前夜から雨が降り続き,レース直前には小降りになったものの田植えのあとの田んぼのような不良馬場。1968年以降はカラー映像が残っていますが,私が見た限りその中で最も悪い馬場と思われる馬場です。

そんな泥んこ馬場にもかかわらず,スタートして2F目のハロンタイムが10.5秒ですから,かなり激しい位置取り争いがあったことが想像できます。それに巻き込まれる形で,1番人気のタカツバキが落馬するというアクシデントが発生しました。1番人気といっても,道悪得意ということで祭り上げられた感のある1番人気です。2番人気はやはり道悪得意のギャロップでした。

このタカツバキの落馬については,タカツバキのような抽選馬がダービーを勝ってしまっては馬産システムが崩壊するから落馬するであろう,と予言していた人がいたという有名な謀略説があります。

ゴール前でも珍事が発生。ダイシンボルガードの石田厩務員がレースの最中にもかかわらず思わず馬場に飛び出して「オレの馬だ!!」と叫びながら走っている姿が映像として残っています(フジテレビのビデオには写っていない。ついでに,タカツバキの落馬も写っていません。フジテレビの競馬中継は当時からダメでした)。あんな泥んこ馬場を走ったのでは,この厩務員さんはかなり泥だらけになったことでしょう。

ちなみに,1968年12月に近くて起こった3億円事件の記憶も新しく,売上金56億円など現金輸送は厳戒態勢で行なわれそうです。