今日04時45分発表の大雨と雷及び突風に関する関東甲信地方気象情報:
大雨と雷及び突風に関する関東甲信地方気象情報 第2号 平成22年5月26日04時45分 気象庁予報部発表 (見出し) 関東甲信地方では、26日昼過ぎから夜遅くにかけて、関東地方南部の平野 部を含む広い範囲で雷雲が発達し、雷を伴った1時間に50ミリ前後の非常 に激しい雨の降る所がある見込みです。低地の浸水、河川の急な増水に警戒 し、落雷、竜巻などの激しい突風、降ひょうに注意して下さい。 (本文) 26日は、関東甲信地方の上空およそ5500メートルに氷点下15度以 下の寒気が流れ込み、大気の状態が不安定となる見込みです。 このため関東甲信地方では、26日昼過ぎから夜遅くにかけて、関東地方 南部の平野部を含む広い範囲で雷雲が発達し、1時間に50ミリ前後の非常 に激しい雨の降る所がある見込みです。27日6時までの24時間の雨量は 多い所で120ミリに達するでしょう。 低地の浸水、河川の急な増水に警戒して下さい。落雷や竜巻などの激しい 突風のおそれがありますので、屋外活動などには注意して下さい。また、降 ひょうのおそれもありますので、農作物の管理などにも注意して下さい。 今後、地元気象台の発表する警報、注意報、気象情報に留意して下さい。 この情報は、「雷と突風及び降ひょうに関する関東甲信地方気象情報」を 引き継ぐものです。 次の「大雨と雷及び突風に関する関東甲信地方気象情報」は、26日17 時頃に発表する予定です。
さて,ちょうど100年前の今日1910年5月26日,東京地方は「稀有の大雷雨」に襲われました。
稀有の大雷雨
全市民を戰慄せしむ二十六日は日本晴れの好天氣なりしに午後三時過ぎ北西方の空に現はれたる雲次第に押廣がり五時頃には一天墨を流したる如く掻き曇り暗澹たる光景を呈し遠雷の音囂々たり此時恰も變電所の故障にて市内の電燈一時に消滅し約十分間眞暗闇となり之と同時に疾風颯と吹き來たり車軸を流す如き大雨沛然として降り電光閃々として雷の音次第に近く聞こえ始めたれば市民はいずれも青くなつて騷ぎ出し電燈の消えしと大雷雨と何か關係ありて天變地異の起る前兆にあらずやと疑ひ戰々兢々たり電燈は暫らくにして點きしに雷風益々烈しく天地も裂ける計りの雷鳴,瓦も破れるかと思はるゝ大粒の雨,窓を透してキラキラと輝く稲妻の光,刻一刻と猛烈の度を加へ軈て蠶豆大の雹さへ雨に交じりて軒を叩きたり約一時間半の後七時二十一分漸く雷雨は東南の方角に去り行しが一時は餘りの物淒き光景に東京中の人をして戰慄せしめたり(國民新聞)
天変地異云々とあるのはおそらくハレー彗星大接近の直後だったからで,同じ紙面にこの雷雨が去ったあとハレー彗星がよく見えたことが書かれています。
気象要覧にはこの日東京市内数か所に落雷し,「震死者一名」とあります。
ちなみに,この「全市民を戰慄せしめ」た「稀有の大雷雨」(当時の新聞は表現が大げさです)の2日前の24日から関東,甲信,北陸地方を中心に激しい雷雨が発生しており,おそらく寒冷渦がゆっくりと南下してきたものと思われます。