腐れメロス

あえて断わるまでもなく,走れメロス太宰治が発表した小説です。中学校の国語の教科書でおなじみでしょう。
今は青空文庫で読めます。図書カード:走れメロスでどうぞ。

1か月ほど前,ある中学生の自由研究がネットで話題になりました。
「走れメロス」は走っていなかった!? 中学生が「メロスの全力を検証」した結果が見事に徒歩 – ねとらぼより一部引用:

一般財団法人 理数教育研究所が開催した「算数・数学の自由研究」作品コンクールに入賞した「メロスの全力を検証」(PDF)という研究結果がとても興味深いです。中学2年生の村田一真くんによるこの検証では、太宰治の小説「走れメロス」の記述を頼りにメロスの平均移動速度を算出。その結果、「メロスはまったく全力で走っていない」という考察に行き着きます。端的にいうとメロスは往路は歩いていて、死力を振りしぼって走ったとされる復路後半の奮闘も「ただの早歩きだった」というのです! なんてこった!

この研究によると,往復の平均の速さはたった時速3.9kmだったそうです。不動産表記の徒歩1分は80mで,時速になおすと4.8km/hですから,これよりも遅かったことになります。

公開されているPDFを見ると若干無理な仮定も見受けられますが,本質的な問題ではないと思います。

メロスに関する謎については,実はこのブログの前身のブログで取り上げたことがあります。

もともとは2004年8月12日に発行したメルマガ能天気Express No.128に書いた話題です。

ただ,タイトルでもわかるように,メロスが走った距離に注目したもので,速度に関しては考慮しませんでした。今となっては悔やまれます(笑)

Wikipediaによると,走れメロスにはしょうもない創作逸話があるそうです。
走れメロス – Wikipediaより一部引用:

懇意にしていた熱海の村上旅館に太宰が入り浸って、いつまでも戻らないので、妻が「きっと良くない生活をしているのでは……」と心配し、太宰の友人である檀一雄に「様子を見て来て欲しい」と依頼した。
往復の交通費と宿代等を持たされ、熱海を訪れた檀を、太宰は大歓迎する。檀を引き止めて連日飲み歩き、とうとう預かってきた金を全て使い切ってしまった。飲み代や宿代も溜まってきたところで太宰は、檀に宿の人質(宿賃のかたに身代わりになって宿にとどまる事)となって待っていてくれと説得し、東京にいる井伏鱒二のところに借金をしに行ってしまう。
数日待ってもいっこうに音沙汰もない太宰にしびれを切らした檀が、宿屋と飲み屋に支払いを待ってもらい、井伏のもとに駆けつけると、二人はのん気に将棋を指していた。太宰は今まで散々面倒をかけてきた井伏に、借金の申し出のタイミングがつかめずにいたのであるが、激怒しかけた檀に太宰は「待つ身が辛いかね。待たせる身が辛いかね。」 と言ったという。
後日、発表された『走れメロス』を読んだ檀は「おそらく私達の熱海行が少なくもその重要な心情の発端になっていはしないかと考えた」と『小説 太宰治』に書き残している。

この小説にはいろんなパロディがありますが,お気に入りは

ところで,この前腐った方々と話していてたまたまメロスの話題になったのですが,この作品には妄想ネタがいろいろちりばめられており,とくにラストの部分は妄想ビンビンだそうです。

このブログは残念ながらこういった筋のブログではありませんので,詳細は省きます。興味のある腐った方々はぜひ原作をお読み下さい。

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