晴れの特異日とされる日で最も有名なのはおそらく11月3日でしょう。でもホントに晴れの“特異日”なのでしょうか。
シツコいですが特異日について『気象科学事典』から引用しておきます。
暦の上の特定の日に,ある特定の気象状態が現れる割合が前後の日に比べて高い日
“前後の日に比べて高い”というのがポイントです。これを念頭に11月3日前後数日間の過去の天気を調べます。
ここで問題になるのはこれもまたシツコいですが“x月x日が晴れか否かをどう決めるのか”です。ここでは10月10日は晴れの特異日ではなかった | Notenki Express 2014と同じく次の日を晴れということにしました。
天気概況(昼:06時~18時)で“晴”がある日。ただし“雨”のある日はカウントしない
方法によって比率は変わるでしょうが,傾向は変わらないと思います。ちなみに,東京管区気象台では“日平均雲量8.5未満”かつ“日降水量1.0㎜以上ではない”を“晴”とした日別天気出現率を公開しています。
データを気象庁HPからダウンロードしてきて10月29日~11月8日について1967年~2014年の東京の晴天率を調べると次のようになります。
月/日 | 晴天率(%) |
---|---|
10/29 | 50.0% |
10/30 | 56.3% |
10/31 | 68.8% |
11/01 | 54.2% |
11/02 | 66.7% |
11/03 | 64.6% |
11/04 | 64.6% |
11/05 | 52.1% |
11/06 | 39.6% |
11/07 | 47.9% |
11/08 | 72.9% |
なんかビミョーな値ですね。しかもとくに“前後の日に比べて高い”わけではありません。10月10日は晴れの特異日ではなかった | Notenki Express 2014と同じように“非雨率”を出してみると次のようになります。
月/日 | 非雨率(%) |
---|---|
10/29 | 70.8% |
10/30 | 72.9% |
10/31 | 81.3% |
11/01 | 68.8% |
11/02 | 77.1% |
11/03 | 87.5% |
11/04 | 83.3% |
11/05 | 81.3% |
11/06 | 60.4% |
11/07 | 66.7% |
11/08 | 83.3% |
期間を通して雨が降りにくいので程度問題ですが,その中でも“雨が降りにくい日”とはいえるかもしれません。
10年でまとめた晴天率の5年ごとの推移は次のようになります。
期間 | 晴天率(%) |
---|---|
1970-1979 | 60 |
1975-1984 | 90 |
1980-1989 | 80 |
1985-1994 | 80 |
1990-1999 | 80 |
1995-2004 | 60 |
2000-2009 | 50 |
2005-2014 | 60 |
1970年代後半から1990年代ごろにピークがあってそれから下がってきたように見えますが,それが傾向なのかどうかはわかりません。
ちなみに,1956年11月2日付毎日新聞によると(ただし方法は不明),1881-1955年の75年間の晴天率は2日が54%,4日が52%なのに対し,3日は67%でした。それでも67%だからとくに高いとはいえませんが,1921-1955年に限定すると晴天率は70%を超えていたとのことです。