雨師風伯おもひの儘に荒すさみ(1892年)

今日の東京は発達中の低気圧の影響で朝から強い風が吹いています。09時までの最大風速は10.8m/s,最大瞬間風速は21.1m/sです。

さて,1892年4月2日の東京は,日付が変わったころから大雨が降り出し,朝になってからはそれに加えて強風が吹き荒れました。最大(瞬間)風速は「十八米突八」を観測,これは1876年から1912年までの37年間における4月の最大(瞬間)風速でした。

富岡門前町警察署管内でところどころ出水し深さが3尺に達したところがあったほか,屋根塀などの被害があったようです。また,横浜でも家屋が倒壊したほか,川につないであった小舟の流失などがあったようです。

ちなみにタイトルは,3日付東京朝日新聞の記事より。

にほんブログ村 環境ブログ 天気・気象学へ

雨師風伯おもひの儘に荒すさみ(1892年)

今日の東京は発達中の低気圧の影響で朝から強い風が吹いています。09時までの最大風速は10.8m/s,最大瞬間風速は21.1m/sです。

さて,1892年4月2日の東京は,日付が変わったころから大雨が降り出し,朝になってからはそれに加えて強風が吹き荒れました。最大(瞬間)風速は「十八米突八」を観測,これは1876年から1912年までの37年間における4月の最大(瞬間)風速でした。

富岡門前町警察署管内でところどころ出水し深さが3尺に達したところがあったほか,屋根塀などの被害があったようです。また,横浜でも家屋が倒壊したほか,川につないであった小舟の流失などがあったようです。

ちなみにタイトルは,3日付東京朝日新聞の記事より。

東京で21年ぶり4月の雪(1956年)

1956年4月1日,朝から降り出した雨は15時30分には雪に変わり,23時には積雪3.0cmを記録しました。

4月の降雪は1943年以来13年ぶり,積雪は1935年以来21年ぶりのことでした。

この日,千代田区千鳥ケ淵公園に五つのテントを張り「即時帰国の具体策」を要求して座込みをつづける在ソ同胞の留守家族たち約二百人には無情な雪だった。座込みの人たちはあわてて火バチや木炭を調達し寒いテントの中で毛布にくるまっていたが,この人たちに同情してお菓子,薪,金一封を贈る人たちもあって留守家族たちを感激させ,また激励電報も数十通寄せられた。しかし“シベリアの寒気”と“留守家族の座込み”――何かしらの結びつきのありそうな,寒い春の雪であった。

(2日付毎日)

また,この日は隅田川で早慶レガッタが行なわれました。メルボルン五輪の関係で例年より早い開催でしたが,それがアダとなり,朝からの雨が対校エイトのころには吹雪,早慶レガッタ史上初の雪中レースとなりました。慶應が5艇身差で5年ぶりの勝利を飾っています。

ちなみに,有名な“あらしのボートレース”は翌年の早慶レガッタでのできごとです。これについてはあらしのボートレース | 能天気Express~新世界版~をご覧下さい。

にほんブログ村 環境ブログ 天気・気象学へ

強風の成田空港 脱出乗客,次々に転落(1990年)

昨日06時49分に発生したフェデラルエクスプレス航空80便の着陸失敗炎上事故は記憶も生々しいですが,1990年の今日3月24日,ところも同じ成田空港で強風による事故がありました。

14時10分ごろ,成田に到着したキャセイ・パシフィック航空508便トライスター機(乗員18人,乗客283人)が誘導路を走行中,突風であおられて機体が傾き,主翼の一部が壊れて燃料が漏れ出しました。火災の恐れがあるため乗客全員が非常脱出用の脱出スライドで機外に出ようとしたところ,スライドが風にあおられて乗客らが相次いで地上に投げ出され,65人が負傷しました。

この日,日本海を発達しながら低気圧が通過中で,成田空港では朝から強風が吹き,13時には22.1m/sの瞬間風速が観測されました。

内陸部の丘陵地帯につくられた成田空港はもともとウインドシアの発生しやすいところとして知られており,こんなところに無理矢理空港をつくった連中に責任の少なくとも一端はあるでしょう。

にほんブログ村 環境ブログ 天気・気象学へ

強風の成田空港 脱出乗客,次々に転落(1990年)

昨日06時49分に発生したフェデラルエクスプレス航空80便の着陸失敗炎上事故は記憶も生々しいですが,1990年の今日3月24日,ところも同じ成田空港で強風による事故がありました。

14時10分ごろ,成田に到着したキャセイ・パシフィック航空508便トライスター機(乗員18人,乗客283人)が誘導路を走行中,突風であおられて機体が傾き,主翼の一部が壊れて燃料が漏れ出しました。火災の恐れがあるため乗客全員が非常脱出用の脱出スライドで機外に出ようとしたところ,スライドが風にあおられて乗客らが相次いで地上に投げ出され,65人が負傷しました。

この日,日本海を発達しながら低気圧が通過中で,成田空港では朝から強風が吹き,13時には22.1m/sの瞬間風速が観測されました。

内陸部の丘陵地帯につくられた成田空港はもともとウインドシアの発生しやすいところとして知られており,こんなところに無理矢理空港をつくった連中に責任の少なくとも一端はあるでしょう。

東京で瞬間風速26.7m/s(2000年)

2000年も今年同様に3月20日が春分の日でした。

この日,日本の東海上の低気圧と黄海にある高気圧の間で気圧の傾きが大きくなり,関東地方を中心に北よりの風が吹き荒れました。

東京では11時23分に最大瞬間風速26.7m/sを観測,館山や熊谷でも25m/sを超える瞬間風速が観測されました。

10時50分ごろ,足立区青井で,14階建てマンションの屋上に携帯電話の基地局を設置するための足場が強風にあおられて倒れ,隣接する家具店を直撃,店舗の屋根と壁が壊れました。

また,架線に飛んできたビニールや傘がからまったりして,常磐線宇都宮線,武蔵野線,ゆりかもめなどのダイヤが乱れました。

東京消防庁のまとめでは,この日都内で10人が重軽傷を負いました。

このほか,葉山沖では,こんなときにのんきにヨット遊びをしていた芝浦工大ヨット部の5人が乗っていたヨットが転覆して海に投げ出され,ヨット備えつけの救難用ブイにつかまっているところを通りかかった釣り船に救助されました。

にほんブログ村 環境ブログ 天気・気象学へ

東京で瞬間風速26.7m/s(2000年)

2000年も今年同様に3月20日が春分の日でした。

この日,日本の東海上の低気圧と黄海にある高気圧の間で気圧の傾きが大きくなり,関東地方を中心に北よりの風が吹き荒れました。

東京では11時23分に最大瞬間風速26.7m/sを観測,館山や熊谷でも25m/sを超える瞬間風速が観測されました。

10時50分ごろ,足立区青井で,14階建てマンションの屋上に携帯電話の基地局を設置するための足場が強風にあおられて倒れ,隣接する家具店を直撃,店舗の屋根と壁が壊れました。

また,架線に飛んできたビニールや傘がからまったりして,常磐線宇都宮線,武蔵野線,ゆりかもめなどのダイヤが乱れました。

東京消防庁のまとめでは,この日都内で10人が重軽傷を負いました。

このほか,葉山沖では,こんなときにのんきにヨット遊びをしていた芝浦工大ヨット部の5人が乗っていたヨットが転覆して海に投げ出され,ヨット備えつけの救難用ブイにつかまっているところを通りかかった釣り船に救助されました。

大電柱将棋倒し(1910年)

1910年3月15日,大陸から進んできた低気圧が発達しながら日本海を北東に進んでいきました。東京は午前中から南よりの風が吹き荒れ,最大風速は「五十九粁七」に達しました。

この風の影響で,四谷区中町2丁目の学習院跡に建てられた東京鉄道の電柱が倒れ,それに送電線が引きずられて電柱が次々に倒れていき,合わせて9本が倒れました。たまたま通りかかった荷馬車が何台かこの倒壊に巻き込まれ,馬が数頭負傷したようです(うち1頭はかなりの重傷)。

電柱倒壊の他には,次のような被害があったようです。

  • 浅草田中町で納屋が吹き飛ばされて隣家の池に落ちた。
  • 浅草山谷町で憲兵屯所の板塀が吹き倒された。
  • 本郷区駒込千駄木林町で建築中の2階建て家屋が吹き倒されて木っ端微塵に。


にほんブログ村 環境ブログ 天気・気象学へ

大電柱将棋倒し(1910年)

1910年3月15日,大陸から進んできた低気圧が発達しながら日本海を北東に進んでいきました。東京は午前中から南よりの風が吹き荒れ,最大風速は「五十九粁七」に達しました。

この風の影響で,四谷区中町2丁目の学習院跡に建てられた東京鉄道の電柱が倒れ,それに送電線が引きずられて電柱が次々に倒れていき,合わせて9本が倒れました。たまたま通りかかった荷馬車が何台かこの倒壊に巻き込まれ,馬が数頭負傷したようです(うち1頭はかなりの重傷)。

電柱倒壊の他には,次のような被害があったようです。

  • 浅草田中町で納屋が吹き飛ばされて隣家の池に落ちた。
  • 浅草山谷町で憲兵屯所の板塀が吹き倒された。
  • 本郷区駒込千駄木林町で建築中の2階建て家屋が吹き倒されて木っ端微塵に。

大阪万博の開会式は雪?(1970年)

万博開会式の前日の1970年3月13日,大阪では午後から雪が降りはじめ,千里丘陵一帯は白一色におおわれました。

沖縄北方海上から時速五○キロで東北東進した低気圧“台湾坊主”のため,西日本は十三日朝から太平洋岸を中心に雪。大阪管区気象台は同日午後二時半,大阪,兵庫など各地に大雪注意報と,大雪情報を出した。

それによると,近畿地方は十三日夜いっぱい雪の続く可能性があり,ところによってはかなり積るおそれがある。万国博の始る十一時までにあがるかどうかは微妙,といっている。

大阪の平野部で五センチ程度の積雪が見込まれており,会場への交通停滞,招待客の誘導などに混乱の起る心配も出てきた。

(14日付朝日朝刊)


にほんブログ村 環境ブログ 天気・気象学へ