皐月賞と早慶レガッタ

16日にはクラシック三冠ロードの一冠目,皐月賞が行なわれます。

皐月賞と早慶レガッタが同じ日に行なわれたのは次のとおりです。

優勝校 1着馬 馬番 人気
1939 4 29 早大 ロツクパーク 2 7
1947 5 11 慶大 トキツカゼ 2 1
1965 4 18 早大 チトセオー 6 14 8
1966 4 17 早大 ニホンピローエース 2 6 2
1969 4 20 慶大 ワイルドモア 1 1 1
1970 4 12 早大 タニノムーティエ 8 11 1
1973 4 15 早大 ハイセイコー 4 7 1
1977 4 17 早大 ハードバージ 2 3 8
1978 4 16 慶大 ファンタスト 3 3 3
1979 4 15 早大 ビンゴガルー 2 3 3
1983 4 17 慶大 ミスターシービー 5 12 1
1986 4 13 同着 ダイナコスモス 8 19 5
1990 4 15 早大 ハクタイセイ 7 15 3
1992 4 19 早大 ミホノブルボン 2 4 1
1994 4 17 慶大 ナリタブライアン 1 1 1
1995 4 16 慶大 ジェニュイン 3 6 3
1998 4 19 早大 セイウンスカイ 2 3 2
1999 4 18 慶大 テイエムオペラオー 6 12 5
2000 4 16 慶大 エアシャカール 8 16 2
2003 4 20 早大 ネオユニヴァース 2 3 1
2004 4 18 慶大 ダイワメジャー 7 14 10
2005 4 17 慶大 ディープインパクト 7 14 1

当然といえば当然ですが,傾向のようなものはないですね。

ここでは1992年を取り上げましょう。

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1992年4月19日,第52回皐月賞寒冷前線の通過により,船橋アメダスでは,気温が12時18.9℃から13時12.6℃と6.3℃も降下。風向が南南西から西北西に変わり,雨が降り出しました。しかし,馬場状態の発表は良のまま。今はなき大川慶次郎さんはテレビ中継の中で「ことばがあれば‘やや良’というとこ(ろ)なんでしょうけどね,(リャイアンッ!!)」といっています。

レースはミホノブルボンのひとり舞台でした。

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あなたの夢は今こそかなう

1951年4月22日,阪神競馬場での第11回桜花賞クモワカは向正面で馬群に包まれる不利もあり,ツキカワの逃げ切りを許して2着に敗れました。このレースについては天候が曇,馬場状態が良ということと全着順,簡単な展開がわかるだけで,それ以上はわかりません。当時の「優駿」にも掲載されていないですし。

クモワカは翌年の夏までに通算11勝をあげ,秋に備えて休養中のところに,突然“伝染性貧血症”と診断されます。この病気についての説明が次の動物衛生研究所のサイトにあります。現在も治療法はないそうです。http://niah.naro.affrc.go.jp/disease/fact/eia.html

伝染性貧血症(正確には“馬伝染性貧血”)は家畜伝染病予防法第17条で“都道府県知事は、家畜伝染病のまん延を防止するため必要があるときは、次に掲げる家畜の所有者に期限を定めて当該家畜を殺すべき旨を命ずることができる”病気のひとつで,これに基づいてクモワカの薬殺命令が下されます。ちなみに,“高病原性鳥インフルエンザ”もこの条項に名前が見えます。当時から改正されたかどうかはわかりません。

ところが,クモワカはなぜか回復してしまい,経緯は文献によって違うのですが,いずれにしても北海道にひそかに渡り,「丘高」という名前で繁殖牝馬となって何頭かの仔を産みました。しかし,死んだはずの馬が産んだ仔の血統登録は認められず,ここに血統登録を求める裁判が起こされます。一審ではクモワカ側の負けとなりましたが,控訴審で和解が成立し,1963年9月から登録が認められるようになります。この年に生まれた“玲祐”が後のワカクモです。

1966年4月10日,第26回桜花賞――。

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前日からの雨は朝には上がり,青空が広がりましたが,馬場状態は稍重,4角の内側はかなり悪くなっています。

レースはキヨズキが逃げ,ワカクモは中団の位置。3角から内目を通って徐々に追い上げ,4角では他馬が馬場の悪い内を嫌って外をまわる中,1頭だけ最内をついて先頭に躍り出ます。一時は後続に3馬身ほど差をつけたものの,さすがに最後は脚いろが鈍り,外からヒロヨシ,さらに大外からメジロボサツがきわどく迫ったところがゴールでした。

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1966年 4月10日(日) 1回阪神8日  天候: 晴   馬場状態: 稍重
10R  第26回桜花賞
4歳・オープン(牝)  芝 1600m   24頭立
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着 枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム 人  廐舎
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1 4 10  ワカクモ            牝4  杉村一馬  55  1.39.5  4  杉村
2 2  4  ヒロヨシ            牝4  古山良司  55  クビ    7  久保
3 3  7  メジロボサツ        牝4  矢野一博  55  ハナ    1  大久
4 3  8  キヨズキ            牝4  武邦彦    55  1 1/4  3  内田
5 3  9  キヨシゲル          牝4  加賀武見  55  クビ    2  川上
6 2  5  タカノハホマレ      牝4  内藤繁春  55  2     13  鈴木
7 8 22  ハードイツト        牝4  簗田善則  55  クビ    8  坪重
8 7 19  ニホンピロールビー  牝4  須貝彦三  55  3     17  田所
9 4 11  アランバード        牝4  瀬戸口勉  55  1/2    10  上田
10 1  3  ミスハヤシヤ        牝4  郷原洋行  55  ハナ    9  鴨田
11 5 15  ウインジエスト      牝4  大根田裕  55  3/4    11  松田
12 6 16  リユウラツクス      牝4  野村彰彦  55  クビ   23  中村
13 6 17  タニノジヨウイナ    牝4  新川恵    55  クビ   22  吉田
14 2  6  モンタフオード      牝4  松永高徳  55  アタマ 15  梶与
15 7 20  セルフリツジ        牝4  高橋成忠  55  ハナ   20  佐藤
16 4 12  アカツキノボル      牝4  山本正司  55  クビ   14  松山
17 1  2  ヨシヒサ            牝4  松永善晴  55  1      6  夏村
18 5 14  セカイイチ          牝4  栗田勝    55  クビ    5  日迫
19 7 21  アサヤング          牝4  田島日出  55  1 1/2 24  柳田
20 8 23  マンジユ            牝4  諏訪真    55  3     16  諏訪
21 5 13  ゴルトホース        牝4  古賀一隆  55  1/2    12  西塚
22 1  1  メイシー            牝4  鹿戸幸治  55  3/4    18  田所
23 6 18  ホツカイフジ        牝4  松田博資  55  3     19  木村
24 8 24  ダテスガタ          牝4  清水出美  55  8     21  黒川
----------------------------------------------------------------
LAP :12.9-11.5-12.1-12.2-11.9-12.4-13.1-13.4
通過:36.5-48.7  上り:50.8-38.9
単勝 10 \610    複勝 10 \240 / 4 \330 / 7 \170
枠連   2-4 \2330
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ワカクモのその後とその仔テンポイントキングスポイントについては改めて書くまでもないでしょう。ちなみに,キングスポイントの最後のレースとなった第92回中山大障害は1984年4月8日,この年は桜の開花が遅く,まだつぼみでした。

なお,この桜花賞で3着と敗れた馬体重わずか376kgのメジロボサツは,メジロドーベルの3代母に当たります。

桜花賞というと思い出す物語です。

競馬初の三連複・三連単

2002年4月2日,浦和競馬で日本競馬初の三連複三連単馬券が発売されました。(競艇では2000年秋にすでに導入されていた)

三連複はさっそく第1レースから発売され2370円の配当,三連単は第8レースではじめて発売され,20230円と万馬券になりました。まあ,今の目で見れば,どちらも落ち着いた配当といえるでしょう。

三連複はすべてのレースで発売されていましたが,三連単ははじめのうちは1日2レース,しかも9頭以下のレースに限られていました。しかし,この制限が撤廃されるまでにはあまり時間はかかりませんでした。そしてこの年の7月には川崎競馬で三連単883万3250円,三連複165万4820円の配当が出ました。さらに8月,大井競馬で三連単975万2820円の配当が出て,しばらく破られませんでした。ちなみにこのときの的中は2枚で,30代の女性がひとりで2枚買っていたらしく,もし1枚しか買っていなければ今でも最高記録に間違いありません。

JRAでは三連複は2002年夏から(馬単と同時),三連単はかなり遅れて2004年夏からの発売になりました。しかも今に至るも後半4レースのみの発売です。もっとも,σ(^^;)は三連単は買いませんが(笑)

三連単の最高配当は,JRAでは18,469,120円(2005年10月22日東京),地方競馬では13,000,390円(2005年5月13日大井),三連複の最高配当は5,470,730円(2003年1月7日川崎)となっています。

ナムラコクオーが走った黒船賞

ナムラコクオーの引退を記念(?)して,以前発行していたお天気メルマガに書いたナムラコクオーが出走した黒船賞の展望記事(?)をそのまま載せます(Active Weather Express No.067, 2003/03/17発行)。表が見にくいのは例によってご愛敬です(笑)

3月21日の春分の日,高知競馬場で日本最南端の統一グレードレース,第6回黒船賞(G3)が行なわれます。歴史は浅いのですが,桜の開花を告げるレースとしてすっかり定着した感があります。

《高知の桜開花と黒船賞》
+--+----+--------+-----+----------------+--------+------------------+
|回| 年 |桜開花日|日程 |1着馬           |馬複配当|1番人気馬         |
+--+----+--------+-----+----------------+--------+------------------+
| 1|1998| 03/17  |03/24|リバーセキトバ  |  7190  |ストーンステッパー|
| 2|1999| 03/19  |03/22|テセウスフリーゼ|   260  |テセウスフリーゼ  |
| 3|2000| 03/21  |03/21|ビーマイナカヤマ|  1260  |キョウエイマーチ  |
| 4|2001| 03/21  |03/20|ノボジャック    |   830  |ノボジャック      |
| 5|2002| 03/17  |03/18|サウスヴィグラス|   320  |サウスヴィグラス  |
+--+----+--------+-----+----------------+--------+------------------+

レースの格はG3であるにもかかわらず,上の表からもわかるとおり,とくにここ2~3年はG1馬またはG1級の馬が出走して,格以上に質の高いレースになっています。今年もG1馬ノボジャック,ノボトゥルーが出走を予定していますし,当初はアグネスデジタルがここから復帰するという情報もありました。

さて,今年の注目はなんといっても12歳馬ナムラコクオーでしょう。3歳時はご存知,あのナリタブライアンのライバルと目されていた馬です。屈腱炎のために静かに中央の舞台から去り,“不思議の国”の笠松に対して“魔法の国”といわれる高知で再調整され,ひっそりと現役を続けていました。

1999年に重賞,黒潮スプリンターズカップを勝ったころに知る人ぞ知る存在になりましたが(私が知ったのもそのころ),続く高知県知事賞とその次のレースで連続して競走を中止したため心配されました。しかし,約1年9か月の休養ののちにみごと復活を遂げ,その後は具合がいいのか間隔を詰めて走っています。黒船賞では9年ぶりに脚光を浴びそうです。まずは無事に走り切ってほしいです。

もう1頭,10歳馬マッケンリーダー。JRA時代は準オープン馬でした。1999年のむらさき賞では18頭中16番人気であったにもかかわらず,なんと私は▲をつけていました(笑)

マッケンリーダーは黒船賞の地元前哨戦,だるま夕陽特別でナムラコクオーを破っています。重賞は未勝利ですが(というのは間違いで,1999年の珊瑚冠賞を勝っていました),長い名前のレースが得意なのか,最近では馬路村ゆずの里ごっくん特別,池川町緑と清流の町特別,南国市まほろばの酒銘酒『貫之』特別などを勝っています。黒船賞も正式名称は「農林水産大臣賞典黒船賞」ですから,十分長い名前です(笑)