明日は日本最南端のダートグレードレース

JRAでは春のクラシックのトライアルが佳境にはいり,TCKではトゥインクルレースが今日からはじまり,競馬はすっかり春の気配です。

そんな中,明日(03/17)は高知競馬場で日本最南端のダートグレードレース,第17回黒船賞が行なわれます。黒船賞は桜の開花を告げるレースです。と,私がいっているだけですが(笑)

次の表は高知のソメイヨシノの開花日と黒船賞の日程をまとめたものです。

桜開花日 日程 1着馬
1 1998 03/17 03/24 リバーセキトバ
2 1999 03/19 03/22 テセウスフリーゼ
3 2000 03/21 03/21 ビーマイナカヤマ
4 2001 03/21 03/20 ノボジャック
5 2002 03/17 03/18 サウスヴィグラス
6 2003 03/18 03/21 ノボジャック
7 2004 03/19 03/22 ディバインシルバー
8 2005 03/31 03/21 マイネルセレクト
9 2006 03/15 03/20 ブルーコンコルド
10 2007 03/23 03/21 リミットレスビッド
11 2009 03/16 03/20 トーセンブライト
12 2010 03/10 03/22 スーニ
13 2011 03/22 03/14 (3.11のため中止)
14 2012 03/21 03/20 セイクリムズン
15 2013 03/15 03/19 セイクリムズン
16 2014 03/18 03/18 セイクリムズン
17 2015 ? 03/17 ?

まあ,この時期に開催されるのであれば,ソメイヨシノの開花と重なってもとくに不思議はないです。2001年に届いた「高知競馬ニュース」には

当時(1997年:筆者注),高知競馬場には JRA・他地区との交流が無く,又,遠征もさほど積極的に行われていないのが現状でした。このまさに鎖国状態であったと言っても過言ではない状況下における「黒船(GⅢ)」の創設は,生まれ変わるべき高知競馬の「激動の幕末」であったと言えます。

とあり,とくに桜の開花を意識したとは書いてありません。

さて,今年の黒船賞ですが,上の表を見てもわかるとおり,2012年以降このレースを勝っているのはセイクリムズンだけです。そのセイクリムズンの4連覇が成るのか?――が注目ポイントでしょう。

実は中止になった2011年,セイクリムズンはこのレースに出走する予定でした。2011年の出馬表です。

中止にならなければ今年は5連覇が懸かっていたかもしれません。いっても詮ないですが。だからこそぜひ勝って欲しいと私は思います。

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春といえば,今年は春のリファールは炸裂しているのでしょうか? 私はこの手の血統予想には興味がないのでよく知りませんが。

湾岸道路を走る馬 (1987年)

1987年2月2日の昼すぎ,船橋競馬場から6歳牝馬のモーガンセイコーが逃げ出しました。

真しぐらに通称湾岸道路に入り,ギョッとするドライバーをしり目に得意のコーナリングで交差点を右折。市道を全力疾走したあと2キロ先の国道14号わきで足が止まり,約15分間の「場外レース」は幕を閉じた。(3日付朝日)

翌1988年に川崎競馬場から逃げ出してソープ街を爆走したイナズマライデン(稲妻走り,雷電光る | Notenki Express 2014)や,1996年に大井競馬場を逃げ出して首都高を暴走したスーパーオトメ(高速道路を走る馬 | Notenki Express 2014)ほど話題になりませんでした。

なお,モーガンセイコーは父ハイセイコー,母カズノロータス,母父ヴエンチア,母系はアステリヤに遡るという血統で,1983年から1987年まで南関東で77戦して8勝,2着8回,3着8回という成績でした。

以上,湾岸道路を走る馬 | Notenki Express 2014に若干加筆しただけの手抜き記事でした。

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第25回日本経済新春杯

忘れはしない 栄光の
有馬記念のゴール前
果たす雪辱 瞳が潤む
かちどきどよめき ファンファーレ
・・・・・・・

あれから約1か月。第25回日本経済新春杯(いまの日経新春杯)

◎◎◎◎◎ 1 1 テンポイント   66.5 鹿戸
▲×注○× 2 2 エリモジョージ  60  池添
×   △ 3 3 ジンクエイト   52  清水英
△△△△▲ 4 4 タニノチエスター 58  久保敏
      5 5 マチカネライコー 51  柴田光
 ××   6 6 ビクトリアシチー 50.5 福永洋
   ×  7 7 ヤマニンバリメラ 52  池江
      8 8 スリーファイヤー 49  小谷内
○○○▲○ 8 9 ホースメンホープ 57  小野

印はスポニチ(大阪版)のものです。

紙面には

世界へのステップ台! 負けられぬ

走れTポイント

酷量66・5キロに挑戦

などの見出しが第1面にデカデカと躍っています。

結果は,テンポイントの圧勝!! 秋の凱旋門賞もワシントンDCインターナショナルもブリーダーズカップクラシックも快勝したことに,σ(^^;)の記憶の中ではなっています。

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走る運命に耐えぬいて
痛んだ 後肢で駆けあがる
淀の芝は雪模様
寒かろ 重かろ 辛かろう
あー悲運の名馬 テンポイント
勝つことだけに 生きてきた

(歌:デューク・エイセス/作詞:桂葉子/作曲:伊藤雪彦)

うーん,坂の下りに見えるんですが。いや,なんでもないです。

12月28日の有馬記念

明日12月28日は中山競馬場で有馬記念が行なわれます。

聞くところによると,かつてはJRAは協定で12月28日~1月4日は開催できないことになっていたそうで,2003年のJBCデー(11月3日)に開催予定のなかった福島競馬場で開催することにしてJBCの馬券をJRAの施設で販売することを引き換えに12月28日に開催する了解を取りつけ,28日に有馬記念を行なえるようになりました。

そのおかげで,28日有馬記念→29日東京大賞典という強力ラインアップが可能になったわけです。

ちなみに,ラインアップはさらに30日KEIRINグランプリ→31日スーパースター王座決定戦(オートレース)と続きます。

話が大晦日まで飛びましたが,以上のようなわけで12月28日の有馬記念は歴史が浅く,過去に2回しか行なわれていません。

さて,12月28日の最初の有馬記念,その前日(2003/12/27)の天気図です。

20031227

中山競馬場には未明から雪が降りました。

27日に中山競馬で予定されていた中山大障害(J・GI)は積雪のため中止、来年の1回中山2日目10R(1月10日)に代替開催されることになった。芝コースで行う予定だった平地全5レースもすべてダートに変更。発走時刻も1Rを10時45分に繰り下げ、昼休みなしで全11競走を行った。

中山競馬場のある千葉県北西部は27日未明から雪が降り約5センチ積雪。ダートコースはハロー(馬場整備)をかけ続けたため積もることはなかったが、芝コースはすっかり雪に覆われた。「中山大障害は28日に行うのか」。「代替もせず中止になるのでは?」と厩舎関係者は一時、戸惑いを見せたが、JRAは午前8時、中山大障害の中止とダート変更を決定した。ビッグテースト騎乗で有力視されていた常石騎手は「残念ですが仕方ないこと」と話し、中山を後にした。「GI競走が積雪によって延期となったことは記憶にない」とJRA報道室。なお交流GIでは98年ダービーグランプリ(盛岡競馬場)が14センチの降雪のため順延となったことがある。

一面雪景色となった芝コースは除雪作業が行われ、正午までには内、外回りともに雪が取り除かれた。
(スポーツニッポン)

雪が1日遅れていたらどうなっていたのでしょうね? 年を越して最初の重賞が有馬記念とか,あるいはダート変更でノングレードの有馬記念とか,面白いことになっていたに違いありません。

このときの雪の写真は残念ながら見つかりませんでした。かわりに翌年の東京大賞典当日の東京の雪の写真があったので載せます。

20041229

20041229

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福島競馬場の放射線量

今週から秋の福島競馬が開幕します。

福島競馬は2011年は震災の影響で……というより東京電力がばらまいた放射能によって開催できず,夏から冬にかけて集中的に除染をして,2012年の春に開催にこぎつけました。そのときから開催期間中の放射線量を公表しています。

当時は2週間に1回測定値を公表していたのですが,2013年から開催前に1回公表するだけに変わっています。したがって現在は必ずしも開催期間中の放射線量を公表しているわけではありません。掲載してあるページはものすごくわかりにくいところです。まあ,Google先生なら訳もなく見つけてくれますが(笑)

次が公表されてきた値です(単位はμSv/h)。

測定日 スタンド内平均 馬場内広場平均 屋外観覧席馬場柵前平均
2012/03/29 0.08 0.24 0.29
2012/04/12 0.08 0.25 0.26
2012/04/26 0.08 0.23 0.25
2012/06/06 0.08 0.22 0.24
2012/06/21 0.08 0.22 0.25
2012/07/04 0.08 0.21 0.23
2012/10/24 0.07 0.17 0.16
2012/11/08 0.07 0.20 0.17
2013/03/28 0.07 0.17 0.15
2013/06/20 0.07 0.16 0.14
2013/10/24 0.06 0.14 0.12
2014/03/27 0.06 0.13 0.12
2014/06/19 0.06 0.14 0.12
2014/09/25 0.06 0.12 0.12

なお,コピペミスがないとも限りません。扱いには注意して下さい。

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福島競馬場の放射線量

来週から夏の福島競馬が開幕します。それに伴って環境放射線測定値が公表されています。

次が公表された値です(単位はμSv/h)。

測定日 スタンド内平均 馬場内広場平均 屋外観覧席馬場柵前平均
2012/03/29 0.08 0.24 0.29
2012/04/12 0.08 0.25 0.26
2012/04/26 0.08 0.23 0.25
2012/06/06 0.08 0.22 0.24
2012/06/21 0.08 0.22 0.25
2012/07/04 0.08 0.21 0.23
2012/10/24 0.07 0.17 0.16
2012/11/08 0.07 0.20 0.17
2013/03/28 0.07 0.17 0.15
2013/06/20 0.07 0.16 0.14
2013/10/24 0.06 0.14 0.12
2014/03/27 0.06 0.13 0.12
2014/06/19 0.06 0.14 0.12

コピペミスがないとは限りません。

一昨年は2週間ごとに測定していましたが,去年から開催前に1回測定するだけに変わったようです。表のとおり,放射線量は最近はほとんど変わっていません。セシウム137の半減期は約30年ですから,今後もあまり変わらないでしょう。

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【2014年版】日本ダービーの芝コース草丈史

開催週の金曜日にJRAの公式サイトで発表される馬場情報から,ダービーの週の芝コースの草丈を抜き出して並べてみました。それだけです。

芝コースの草丈
2014 野芝約10~12cm,洋芝約12~16cm
2013 野芝約6~8cm,洋芝約14~18cm
2012 野芝約6~8cm,洋芝約12~16cm
2011 野芝約8~10cm,洋芝約12~16cm
2010 野芝約6~8cm,洋芝約12~14cm
2009 野芝約6~8cm,洋芝約12~16cm
2008 野芝約6~8cm,洋芝約14~18cm
2007 野芝約6~8cm,洋芝約12~16cm
2006 野芝約6~8cm,洋芝約12~16cm
2005 開催日の草丈は洋芝12~16cm,野芝6~8cmの予定です。
2004 開催日の草丈は,洋芝12~16cm,野芝11~14cmの予定です。
2003 開催日の草丈は10~12cmの予定です。
2002 開催日の草丈は約10cmの予定です。

発表をそのまま信じると,今年は野芝が異様に長い?!

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史上最強のダービー馬

史上最強の日本ダービー馬はカブラヤオーです。異論は認めません。

ゲートが開くやいなや菅原騎手が出ムチを入れて飛び出したのを見て,こりゃダメだ~と思った人も多かったと思います。1コーナーをまわるあたりからはテレビ馬トップジローに絡まれて,2コーナーまでに後続を10馬身以上離し,前半1000mの通過は58.6秒という,誰が見ても暴走でした。

さすがに終いはバタバタになって,4コーナーは内ラチいっぱいをまわったはずなのに,右にヨレ,左にヨレ,ゴールでは馬場の4分どころを走っていました。それでも後続には抜かせませんでした。

フジテレビの盛山アナウンサーの

カブラヤオーがんばれ,がんばれ,カブラヤオー,勝てそうだ,勝てそうだ

はベルリン五輪での河西アナの前畑ガンバレ!!と並ぶ放送史に残る迷実況でしょう。

もっとも,盛山アナにはハイセイコーのNHK杯のときの

あと200しかないよ!

という“前科”もありました。さらにいえば,1973年の秋の天皇賞では

トーヨーチカラ優勝~!!

と実況していました。優勝はタニノチカラだったんですが。

ちなみに,ポニーキャニオンから出ているこのダービーを収録したビデオやDVDでは,カブラヤオーを先頭に馬群が1コーナーにかかるあたりで,突然意味不明にも映像が観客席に向いているカメラに切り替わっています。実はこのとき先団を追いかけていたカメラの画像が数秒間乱れていたのでした。

一方,NHKのドラマ「男たちの旅路」のたしか「路面電車」という回で,このダービーのスタートからゴールまでがオープニングに使われていました。フジテレビのではないので1コーナーで乱れていません。

カブラヤオーは史上最強の日本ダービー馬ですが,もちろんベストダービーもこの1975年のダービーです。

ついでに,カブラヤオーにまつわるどうでもいい話。

かつてターフサウンドステーション(TSS)という競馬場内のミニFM放送がありました。ダービー前日の土曜日,「記憶に残るダービー馬は?」というようなテーマでメッセージを募集していたことがありました。もちろんカブラヤオーで投稿したら,なんと読んでいただきました。ラジオへの投稿が読まれたのは実はこれがはじめてでした。ただ前半1000mの通過タイムを間違って58.7秒と書いてしまったのが悔やまれます。

ちなみに,TSSの放送中に起こったスティンガ1号事件は一時期ネットなどでも有名になりましたが,今では知る人も少ないんではないかなあ……。

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日本ダービーと台風

5月に台風が上陸することは少ないし,日本ダービーは最近では5月の最終日曜日(または6月の第1日曜日)に定着していることもあり,日本ダービーが台風の直撃を受けたことはありません。

直撃ではないにせよ史上もっとも台風の影響を受けたと思われるのが1965年5月30日のダービーです。

ダービーの直前の5月27日,潮岬の南方海上にある定点観測点付近を通って北東に65~85km/hの速い速度で進んできた台風6号が12時ごろ東京湾をかすめて館山市付近に上陸しました。5月の台風上陸は1914年5月30日以来51年ぶりのことでした。

196506

この台風と梅雨前線の影響で,東北地方南部から九州にかけて大雨となり,新幹線が全線不通となって雨に弱いことを暴露したほか,かなりの被害が出ました。

この日東京競馬場で行なわれたダービーの追い切りも強風雨の中,泥んこ馬場での追い切りとなりました。

台風警報下の“ダービー調教”なんていうのは前代未聞,今後も恐らくないだろう。二十七日の午前五時半から行なわれた東京競馬場での追い切りは,田植えのできそうな泥んこのダートコースで,全くの“責め馬?”だった。
(1965.05.28日刊スポーツ)

レースももちろん,ビデオで見る限りものすごい不良馬場。もっとも,質のよくないモノクロフィルムのせいで実際よりも悪く見えているかもしれません。

単騎で逃げるキーストンの1頭だけ白いままの帽子が印象的です。前半1000m通過64.0秒の“タメ逃げ”でしたが,最後の200mに14.3秒かかっています。ダイコーターが詰め寄ったというよりは,終いバタバタになってしまったのでしょう。

最近では,まず2003年があげられます。

5月31日05時ごろ台風4号が愛媛県宇和島市付近に上陸しました。上記の1965年の台風6号以来38年ぶりとなる5月の台風上陸です。

200304

翌6月1日にダービーが行なわれましたが,この台風から変わった低気圧と前線の影響による雨のため,馬場状態は重でした。府中のアメダスでは31~1日にかけて83mmの降水量が観測されています。

4角で各馬外をまわる中,エイシンチャンプと逃げたエースインザレースが最内をついたシーンをおぼえている人も多いでしょう。

勝ったのはネオユニヴァース,鞍上はミルコ・デムーロでした。

2011年は,四国に向かって北上していた台風2号がダービー当日の15時に温帯低気圧に変わりました。

201102

西日本~東日本はちょうど梅雨入りしたばかりで,西日本を中心に大雨になりました。

東京競馬場でも26日(木)から断続的に雨が降りはじめ,府中のアメダスでは28日(土)に17.5mm,ダービー当日の29日(日)には91.0mmの降水量が観測されました。

ダービーの馬場状態は2009年以来となる不良。2冠を達成したオルフェーヴルの勝ちタイムは2.30.5でした。

このダービーからもう3年たつんですね。

※この記事はダービーと台風 | 能天気Express Hyperを少し書き直したものです。

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雷雨の中の日本ダービー(1967年)

1967年5月14日の東京地方は朝から絶好の“ダービー日和”でした。ところが,発走時刻の10分ほど前,一天にわかにかき曇り,電光が走り,雷鳴とともに激しい雨が降り出しました。日射で空気が暖められたところに寒冷前線が南下してきたことによる,いわゆる熱界雷 です。

“波乱”を予告するかのように,スタート13分前に大粒の雨が降った。しっかりと馬券を手に立ち見席でかたずをのんでいたファンは“天候のいたずら”にハンカチや新聞紙を頭にスタンドへ逃げる。スタンドは一瞬か“静”ら“動”にかわった。ところが場所を“確保”するためにカサをさして動かないファンもポツポツ。
雨が強くなってくると,だんだんと小さくなり懸命に雨をふせいでいた。すさまじい執念!
(5月15日付サンケイスポーツ)

ダービーは雷雨の中でのスタートとなりました。最初の1ハロンこそ13.0秒でしたが,2ハロン目はなんと10.0秒。ただ, 当時のハロンタイムは数字どおりには信用しないほうがいいようです。アラジンが先頭でバックストレッチにはいりますが,そこから先,馬の識別ができません。私の場合は質の悪いビデオ画面で見ているせいもありますが,フジテレビで実況していた鳥居アナウンサーも激しい雨のためにほとんど視界が利かなかったそうです。

リユウズキはちょっとわかりませんが……

人気馬のポジションを正確に伝えていた鳥居アナにしては珍しい実況だと思います。

激しい雨をついて馬群が向こう正面から3コーナーへと進んだところでマイクがかなり大きな雷鳴を拾っています。

4コーナーを回って先頭に立ったアサデンコウに,ヤマニンカツプが外から,シバフジが内から並びかけて激しい叩き合いが300mほど続きましたが,アサデンコウが凌ぎきりました。

アサデンコウはレース中に左前肢第一指骨を骨折しており,しばらくして馬運車で運ばれていった――ともいわれていますが,次の日の新聞に口取り写真が載っています。これはどういうわけなんでしょう?

その後(それ以前も?),日本ダービーが雷雨の中で行なわれたことはありません。

なお,5月14日の日本ダービーは東京優駿大競走として創設されたころはともかくとして,5月下旬~6月上旬に定着して以降は異常に早い日程です。とくに調べてはいませんが,東京競馬場の改修によるものと思われます。

ところで,この日は東北地方南部から関東地方にかけてのやや広い範囲で積乱雲が発生しました。落雷により千葉県と福島県で5人が死亡,重傷6人,また埼玉,栃木,群馬などでは雹の被害がありました。5月15日付読売新聞より:

熱界雷大あばれ
四人感電死,降ヒョウ被害
十四日午後“五月の雷”が関東・東北をあばれまわり,千葉,福島両県で計四人が落雷のために死んだ。初夏の日ざしで気温が上がったところへ,北から冷たい空気がもぐりこんで起こした熱界雷というあばれん坊。

同日の毎日新聞:

雷雨,ヒョウ,大暴れ
四人感電死 農作物にも被害
十四日の日曜日午後,東北南部から関東一円にかけて各地で雷雨やヒョウが降り,感電死や農作物の被害を出した。これは同日朝からのむし暑い陽気で地表の空気があたたまったところへ,北から寒冷前線が早いスピードで南下してきたため各地で雷雲が発生,雷雨やヒョウを降らせたもので,群馬,栃木,茨城,埼玉,東京などでは,ことしはじめての雷雨注意報が発令された。気象庁は毎年五月の十五日から雷雨予報を出しているが,ことしは予報を待たずに一日早く“夏の訪れ”をふれ回った。

ついでにこの日の天気図を載せておきます(日本時間21時)。

  • 地上天気図

  • 500mb天気図

  • 850mb天気図

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