海をまもる36人の天使

海をまもる36人の天使』は昨日のhttp://blog.notenki.net/2006/07/post_8e2c.htmlの事故を扱った少女マンガです。丘けい子作。1967年に週刊「マーガレット」に連載された作品で,1968年にコミックスになっています。

作品を読めるサイトがあります。

http://okworld.sakura.ne.jp/rensai/index.shtml

この作品はあくまでフィクションで設定はかなり変えてあり,事故に遭ったのは臨海学校に来ていた市立第一小学校の6年生ということになっています。さらに,犠牲者の人数は同じですが,その中になぜか男子生徒1人が含まれています。

主人公は,臨海学校の事実上の現場責任者だった菅原進一という体育主任。バタフライの選手だったそうです。律子という(苗字は不明。σ(^^;)の読み落としか?)フィアンセがいます。

律子の妹・博子はかおる(苗字は不明。これもσ(^^;)の読み落としか?),高橋美樹・輝美の双子の姉妹と仲良し4人組で,この臨海学校に参加していました。

臨海学校最後の日,安全なはずの海岸を突然高波が襲い,35人の女子生徒となぜか1人の男子生徒が犠牲になります。その中には博子と高橋美樹が含まれていました。ちなみに,かおるは母親の形見のロケットを預けるために海から上がっていて,難を逃れました。

事実上の現場責任者だった菅原進一は業務上(重)過失致死を問われ,裁判にかけられます。一審では弁護人の未熟もあり懲役11年(上のサイトで読める版は懲役11年になっていますが,σ(^^;)が国会図書館で見た版は禁固3年になっていました。版によって異なる理由は不明です)の実刑判決がいいわたされますが,8年に及ぶ裁判の末,無罪を勝ち取ることになります。

進一はかなり生徒に慕われていて人望もあり,もともと表向きにはそれほど非難されておらず(かなり現実離れしていますが),激しく非難していたのは唯一犠牲となった男子生徒の母親くらいでした。しかし,この母親も最後には味方とまではいかなくても,理解を示すようになります。

長い裁判の間,進一を支援していたのは,フィアンセの律子と受け持っていた生徒たち,とくに仲良し4人組の輝美,かおるたちでした。律子は進一と両親の板挟みになっていましたが,両親も途中からは折れる形になります。事故当時小学生だった生徒たちは,やがて中学生となり,裁判が終わるころにはいい若者,ロマンスも生まれはじめていました。

実際の事故の現場には教師が23人いたそうですが,このマンガのモデルになった教師がいたかどうかは知りません。逆に,体育主任と教頭が8月9日,証拠隠滅のおそれありとして逮捕されています。体育主任というところが皮肉です。