ライオンと羊と月光仮面

けっしてイソップ物語ではありません。といいつつ,イソップ物語に「ライオンと羊」というようなお話があったかどうかは知りませんが(笑)

さて,イギリスのことわざに“3月はライオンのようにやってきて羊のように去っていくMarch comes in like a lion and goes out like a lamb. というのがあります。ライオンはもちろん嵐のことで,3月は嵐とともにやってきて,おだやかな季節となって去っていくということらしいです。

イギリスだけではなく日本でも,3月はたしかに風の強い日が多いですが,調べてみると,日本海側では3月よりはむしろ冬季のほうが強い日が多いことがわかります。日本では“3月のライオン”はおもに太平洋側の地域にやってくるようです。

ところで,疾風のように現われて疾風のように去っていくのは月光仮面のおじさんです。“疾風”はもちろん“はやて”と読みます。“はやて”は今では東北新幹線の名前にもなっていますが,もともとはお天気ことばで,「寒冷前線の通過に伴う突風で,しゅう雨を伴うこともある」(平凡社版『気象の事典』)。“春はやて”ということばもあります。

それにしても月光仮面のおじさんはかなり無責任な人です。「♪この世の悪に かんぜんと 戦いいどんで 去ってゆく」のですから。戦いを挑む=相手を挑発するだけじゃなくてちゃんと退治してから去っていってくれよ。ったく……。