そろそろ“万朶の桜”といった表現がピッタリの桜の枝もチラホラとあらわれてきました。
“万朶”で辞書を検索すると,
(「朶」は垂れさがった枝) 多くの垂れ下がった枝。「―の桜」
~広辞苑ばん-だ [1] 【万朶】〔「朶」は垂れさがった枝の意〕(花のついた)多くの枝。「―の桜」
~スーパー大辞林ばんだ_【万〈朶】〔「朶」は垂れ下がった塊カタマリの意〕「―の〔=たくさん咲きそろった〕桜」
~新明解国語辞典
キシユウローレル世代の馬にオキノバンダというオークス4着馬がいましたが(ホリスキーの母といったほうがとおりがいいかも),馬名の由来はこの“万朶”なんでしょうか。(たぶん違うでしょう(笑))
一方,“万朶の桜”でググると,「昭和維新の歌」か軍歌「歩兵の本領」ばかりがヒットします。早い話が死語になっているということでしょう。
「昭和維新の歌」では4番に登場します。
昭和維新の春の空
正義に結ぶ丈夫《ますらお》が
胸裡《きょうり》百万兵足りて
散るや万朶の桜花《さくらばな》
この歌は10番までありますが,4番までしか歌われないことが多く(カラオケにも4番までしかないことが多いようです),事実上“散るや万朶の桜花”が最後の決めゼリフになっています。エラそうにゴタクを並べてきた割にはしまらない最後です(笑) もっともこれは便宜的に4番で終わらせるほうが悪いのであって作詞者のせいとはいえません。もともとは屈原ではじまり屈原で終わるようにまとまってはいます。
「昭和維新の歌」はかつて右翼が街宣車でしきりに流していましたが(その当時はこれを聞いて歌詞をおぼえたものです(爆)),最近はとんと聞かなくなりました。平成になったこともあるでしょうが(ヘイセイイシンじゃプロレスだし(笑)→平成維震軍),歌詞が難しくてチンプンカンプンだからでしょう。ここにもゆとり教育の弊害か?!(爆)
「歩兵の本領」では冒頭に出てきます。
万朶の桜か襟の色
花は吉野に嵐吹く
大和男子《やまとおのこ》と生まれなば
散兵線の花と散れ
この「歩兵の本領」は「♪聞け万国の労働者……」でおなじみの「メーデー歌」とメロディーが同じです。中学生のころ,この衝撃の事実?!にビックリしたものです。あとで知ったところでは一高寮歌「アムール川の流血や」のメロディーをそれぞれが拝借したということですが,今の時代では両対極にあるといってもいいような労働歌と軍歌のメロディーが同じというのはなかなか面白いです。このような歌は他にもあり,あまり有名ではありませんが「富の鎖」が「日本海軍」と同じメロディーです。「日本海軍」は当時の保有軍艦の名前がすべて歌詞に読み込まれているという,「ポケモン数え歌」みたいな歌です。
カラオケには「歩兵の本領」はあっても「メーデー歌」はないので,σ(^^;)は「歩兵の本領」の1番だけを歌って2番からは「♪聞け万国の労働者……」を歌います(笑) 恐ろしいことに,歌詞テロップを見なくても全部歌えます(爆) 小中学生のころに苦労して(?)おぼえた歌はなかなか忘れないものです。今ではおぼえる前に忘れますが(^^;)
そういえば,以前「朝鮮の声放送」を聞いていたときに「歩兵の本領」のメロディーが流れてきてア然としたことがあります。調べてみるとどうも「メーデー歌」のキムチ語版があるようなので,おそらくそれでしょう。他にも,「日本海軍」のメロディーは「朝鮮人民革命軍」という歌に使われているそうです(聞いたことはありません)。
最近の“報道”によると,このパクリについて“日本音楽著作権協議会”なる団体が北朝鮮に対し使用料などの請求を検討しているとのことです(爆)
http://www.geocities.jp/keidoutsusin/uta.html