2003年9月3日は関東甲信地方から九州の太平洋側を中心に残暑に見舞われ,この年の最高気温を記録したところもありました。
午後からはこの暑さに加えて上空に寒気が流れ込んできたこともあって大気の状態が不安定になり,関東地方では激しい雷雨となりました。共同通信WEBニュースより:
関東地方で激しい雷雨 国会議事堂にも落雷
関東地方は3日午後から雷を伴った激しい雨が降り、埼玉県越谷市では同日午後5-6時の1時間に43ミリが降った。東京都心も午後6時すぎから雷雨となり、大手町では午後6時20分から10分間に19ミリの大雨。
JR山手線が午後6時半すぎから3時間近くストップしたほか、首都圏のJRの一部が一時、運行を見合わせた。国会議事堂にも落雷、都内や千葉県で停電も起きた。
気象庁によると、3日の関東地方は気温が30度を超えて大気が不安定だった上、前線の南側で湿った空気が多かったことなどから雷雲が群馬県南部で発生、埼玉県から東京都心、千葉県方向に移動したという。
JR東日本によると、午後6時半すぎ、山手線田町駅構内(港区)で信号機が作動しなくなり、内回り、外回りと、京浜東北線の運行を一時見合わせた。総武線平井-新小岩間(江戸川区)では、走行中の普通列車に雷が直撃。乗客約1000人にけがはなかった。
そして18時半ごろ,国会議事堂の中央塔付近に落雷がありました。読売新聞WEBニュースより:
国会議事堂に落雷、外壁の御影石はがれる
3日夕、東京都心を襲った激しい雷雨で、永田町の国会議事堂に落雷があり、議事堂の外壁の一部がはがれ落ちた。
衆院事務局によると、雷は午後6時半ごろ、議事堂のシンボルである中央塔(高さ約65メートル)の避雷針周辺に落ちた。この直後、中央塔の外壁とみられる御影石の一部がはがれ、衆院側の中庭周辺に落下した。落石はバケツ1杯分ほどで、20センチ程度の大きさの石もあった。けが人はなかった。
現在の国会議事堂は1936年11月に完成。外壁にはすべて国産の御影石が使われている。落石を回収した職員は「長年国会に勤めているが、国会に雷が落ちたのも、外壁がはがれ落ちたのも初めての経験だ」と驚いていた。(読売新聞)
参考までにこの日の地上天気図を載せておきます(気象庁の日々の天気図より)。
国会議事堂への落雷はこれが史上はじめてだったようです。
一方,政府機関への落雷は,1940年の逓信省航空局新館への落雷が有名です。大蔵省などが全焼し,将門公のたたりと噂されました。詳しくは大蔵省炎上 (1940年) | Notenki Express 2014をご覧ください。