鶴岡八幡宮の大銀杏が倒れる (2010年)

2010年3月10日の早朝,神奈川県鎌倉市にある鶴岡八幡宮の樹齢1000年とされる大銀杏が倒れているのが発見されました。1219年に起こった鎌倉3代将軍実朝暗殺を目撃したのでは――ともいわれていた大銀杏です。

毎日新聞(=リンク切れ)より:

鶴岡八幡宮:大銀杏倒れる…樹齢千年、実朝暗殺の舞台

10日午前4時40分ごろ、神奈川県鎌倉市雪ノ下の鶴岡八幡宮(吉田茂穂宮司)の本殿前にある樹齢1000年とされる「大銀杏(おおいちょう)」が、根元付近から折れて倒れているのを警備員が見つけた。9日夕から続いた強風が原因とみられる。けが人はなかった。大銀杏は鎌倉幕府三代将軍、源実朝の暗殺事件の「隠れ銀杏」として知られる。

同八幡宮によると大銀杏は幹回り6.8メートル、高さ約30メートル。午前4時15分ごろ、当直の警備員が3回ほど「ドンドン」という音を聞いた。警備員は「積もった雪が落ちる音だと思った」という。その後、落雷のような音がしたため、様子を見に行くと大銀杏が倒れていた。市消防本部によると、当時の最大瞬間風速は12メートルだった。

大銀杏をみた東京農業大の浜野周泰教授(造園樹木学)は、2月以降の雨で地盤が緩んでいたことに加え、9日夕からの強風が原因と指摘。雪交じりの風は、通常の数倍の力がかかるとされ、傾きを支えられずに折れたとみられる。石段脇の土壌が薄い斜面に立っていたことも影響したらしい。浜野教授は「根元の状態から回復は不可能」とコメント。詳しく原因を調べる。

浜野教授が09年12月に診断した際、生育に問題はなかった。同八幡宮では09年末から保全に向けた検討を始め、傾きなどの定点計測を予定していた。

神職の一人は「あり得ないことだ。驚いている」と動揺を隠さない。倒れた大銀杏に酒を供える神職もいた。

大銀杏は同八幡宮のシンボル的存在で、1219(建保7)年1月、鎌倉幕府三代将軍、源実朝が僧侶の公暁(くぎょう)に暗殺された際、公暁が潜んでいた「隠れ銀杏」として伝えられる。1955年には神奈川県指定天然記念物に指定された。

毎日新聞 2010年3月10日 11時32分(最終更新 3月10日 11時44分)

直接の原因は,記事にあるように前日からの強風とみられます。

10日09時の地上天気図です(気象庁の日々の天気図より)。

Image from Gyazo

この日は,高知でさくら開花最早を記録した一方で,東北地方の太平洋側などで大雪となりました。

河北新報(=リンク切れ)より:

春の大雪、通勤の足直撃 仙台24センチ

大雪に見舞われ、足元を気にしながら歩く人たち=10日午前10時20分ごろ、仙台市青葉区一番町4丁目

発達した低気圧の影響で、東北では9日午後から10日にかけて雪が降り続き、太平洋側沿岸部を中心に大雪となった。仙台では10日午前9時に24センチを観測し、3月としては過去3番目の積雪を記録。仙台管区気象台は大雪、暴風雪警報などを出し、警戒を呼び掛けた。仙台市内などの幹線道路は大渋滞となり、公共交通機関も大幅に乱れた。

仙台市内の積雪が20センチを超えたのは、2005年3月に25センチを記録して以来、5年ぶり。

気象台によると、10日午前11時現在の各地の積雪量は、栗原市駒ノ湯、一関市祭畤で90センチ、久慈38センチ、大崎市川渡24センチ、白石15センチなど。

低気圧は急速に発達しながら、三陸沖を北東に進んだ。県内では大雪の恐れがなくなったが、11日にかけて強風や吹雪が続く見通し。11日午前6時までの24時間予想降雪量は、東北の太平洋側北部の山沿いで70センチ、平地で50センチ、太平洋側南部の山沿いで20センチ。

太平洋側は、非常に強い風が吹き、10日夕にかけて大しけとなる見込み。10日の予想最大風速は、太平洋側北部の海上で20メートル、陸上で15メートル、波の高さは5メートル。

2010年03月10日水曜日

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