1892年11月24日,颱風が房総半島に上陸したもようです。
「東京市史稿」に
明治颱風誌ニ據レハ,・・・・十一月十九日ヨリ廿四日ニ至ル颱風,廿四日房総半島ヲ横ギル。
とあります。また,同書によると,この日東京で観測された気圧737.5mmHgは「明治九年ヨリ大正元年マデ卅七年間ノ十一月ニ於ケル最低氣壓」と記載されています。
『日本気象災害年表』によると,1888年11月20日から22日にかけて,沖縄から九州南東沖を通って四国および本州を縦断し北海道南東部沖合に達した颱風があったようです。
「東京市史稿」には
十一月二十日午前六時ヨリ廿二日午前六時ニ至ル暴風有リ。内務省報告ニ見ユ。
とあり,21日の東京での降水量として78.9mmが記録されています。
また,23日付の読売新聞に次のような記事があります。
一昨日の雨中に品川羽根田沖にサツマ薯が三拾四俵流れあるを土地の者が拾ひ得たるが多分暴風雨《あらし》に破船せしものゝ積荷ならんと云
きょう,東京で木枯らし1号が観測されました。
木枯らし1号:東京で観測 – 毎日jp(毎日新聞)より一部引用:
気象庁は1日、東京地方に「木枯らし1号」が吹いたと発表した。昨年より17日早い。
木枯らし1号は、10月中旬~11月末、最大風速8メートル以上で最初に吹く北寄りの風。1日未明から西高東低の冬型の気圧配置となり、午前10時59分に千代田区の北の丸公園の風速計で最大瞬間風速15.5メートルの北西の風を観測した。その後、強風は東京湾岸部に移った。
木枯らし1号については当ブログでも何度か取り上げています。例えば↓をご覧ください。
なお,上の記事の中に
今はなき月刊誌「気象」に掲載されていた「天気図日記」では意外に早く,1957年10月17日に登場しているように見えますが,「天気図集成」に収録する際に編集でつけ加えられたものかも知れません(未確認)。前年の1956年11月16日には「木枯らしNo.1」ということばも見えます。
とありますが,1957年2月にはまだ「気象」に「天気図日記」は掲載されておらず,『天気図集成』の「天気図日記」は「天文と気象」に掲載されていたものです。そこにはたんに“木枯し”とあるだけで(“ら”を送っていない),「木枯らし1号」は登場していません。
『天気図集成』における「木枯らし1号」の初登場は実は1956年10月20日です。このときは「気象」は創刊前で,「天気図日記」は同じく「天文と気象」のものです。ここには「木枯らし1号」はありませんが,「木枯し第一号」が登場しています。
平成20年 台風第17号に関する情報 平成20年9月30日10時30分 気象庁予報部発表 (見出し) 台風第17号が発生しました。 (本文) 30日9時、フィリピンの東の 北緯11度00分、東経127度05分において、 熱帯低気圧が台風第17号になりました。 台風は1時間におよそ35キロの速さで北西へ進んでいます。 中心の気圧は1000ヘクトパスカル 中心付近の最大風速は18メートル、 最大瞬間風速は25メートルで 中心から半径170キロ以内では 風速15メートル以上の強い風が吹いています。 台風の中心は、24時間後の1日9時には フィリピンの 北緯13度25分、東経124度05分を中心とする 半径130キロの円内に達する見込みです。 中心の気圧は994ヘクトパスカル 中心付近の最大風速は20メートル、 最大瞬間風速は30メートルが予想されます。 48時間後の2日9時には ルソン島の 北緯15度30分、東経121度00分を中心とする 半径200キロの円内に達する見込みです。 中心の気圧は990ヘクトパスカル 中心付近の最大風速は23メートル、 最大瞬間風速は35メートルが予想されます。 72時間後の3日9時には 南シナ海の 北緯18度10分、東経118度20分を中心とする 半径300キロの円内に達する見込みです。 中心の気圧は980ヘクトパスカル 中心付近の最大風速は30メートル、 最大瞬間風速は40メートルが予想されます。 予報円の中心から半径370キロ以内では 風速25メートル以上の暴風域に入るおそれがあります。 なお、台風の中心が予報円に入る確率は70%です。 この方面の船舶は十分警戒してください。 なお、台風に関する位置等の情報は、海上警報等により発表します。
というわけで,台風17号が発生して台風が3つになりました。
とはいっても,台風が3つというのはとくに珍しくはありません。去年のことはおぼえていませんが,2004~2006年には起こっています。
4つになるとさすがに少なくなり,1951年以降では4回しかないと思います。
5つあらわれたのは1960年8月の五輪台風の1回だけです。
このときの参加メンバーは14号から18号まででした。有名なお天気キャスターM氏の本に7号,14号,15号,16号,18号と書いてあったりするのですが,もちろん間違いです。番号の不自然さに気づかないのでしょうかねえ……。
ついでに,五輪台風の説明に1960年8月23日09時の天気図を使った放送局があったようですが,最後のメンバー18号が台風に昇格したのは23日の15時なので,09時の時点では五輪台風は勢ぞろいしていません。
五輪台風については能天気Express~新世界版~ 四面台風もご覧下さい。
なお,1950年8月に“熱帯性低気圧”が同時に6つあらわれたことがあります。しかし,今の基準でそのうちいくつが台風なのかはわかりません。
アソウとかいうのが総理大臣になったらしいですね。
誰がなろうとどうでもいいのですが,この人,就任したとたんに平気でウソついてます。麻生内閣総理大臣記者会見より一部引用します。
今年はまだ台風が一度も上陸していない。気が付いておられる方もいらっしゃるかと思いますが、台風はまだ一度も本土に上陸しておりません。こんなことは過去に例がない。4年前は9回上陸、平均3回という日本において、ゼロもしくは9回は何となく異常だなと感じていらっしゃる方も多いと思いますが、これは日本一国でやれる話ではありません。明らかに何となく我々の周りに大きな変化が起きていると感じなければおかしいところなんですが、そういった問題につきまして、この環境問題というのは、日本はサミットをやった経緯などなどを考えて、世界をリードして行けるだけの技術もあるし、そういったものもし得る立場にあるんだと思って頑張っていただければと思っております。
コイツがバカなのか,ロクでもないブレーンしかいないのか,その両方なのか,たんに国民をバカにしているのかはわかりませんが,太字にした部分「台風はまだ一度も本土に上陸しておりません。こんなことは過去に例がない」は真っ赤なウソです。
台風が上陸しなかった年は1984,1986,2000年の3回あります。9月まで上陸がない年を加えれば4回となります。
そればかりか,4年前の上陸数は9個ではなくて10個です。
まあ,しょせん次の選挙までの総理大臣でしょうから,こんなのでも務まるのでしょう。
今宵は中秋の名月。月見バーガーの日です(笑)
雨名月,雨月,月の雨などということばがあって,東日本では天気が悪い日が多いとされています。「雨降りお月さん」という童謡もあります。
以前,メルマガを出していたときに,1990年から2004年まで15年間の中秋の名月の天気を調べたことがあります。次の表は,中秋の名月の日における東京の21時の天気です。2005年以降について興味のある人は自分で気象庁のHPなどで調べてください。
年 | 気温 | 現在天気 | 全天雲量 |
yyyy | ℃ | /10 | |
1990 | 22.5 | 曇 | 10 |
1991 | 22.4 | 晴 | 7 |
1992 | 24.2 | 晴 | 8 |
1993 | 24.1 | 曇 | 10 |
1994 | 26.0 | 快晴 | 0 |
1995 | 24.1 | 晴 | 7 |
1996 | 18.7 | 晴 | 2 |
1997 | 16.3 | 雨 | 10 |
1998 | 20.3 | 曇 | 10 |
1999 | 28.3 | 曇 | 10 |
2000 | 27.8 | 快晴 | 1 |
2001 | 18.5 | 雨 | 10 |
2002 | 21.9 | 曇 | 10 |
2003 | 29.0 | 薄曇 | 9 |
2004 | 21.6 | 曇 | 10 |
千葉県の東方沖を北上中のTDってホントにただの熱帯低気圧なんでしょうか?(下図は気象庁HPより)
まあ,銚子だけ異様に強いという感じもしますが。
かつて“弱い熱帯低気圧”を大あわてで時間をさかのぼって台風に昇格させたことがありました↓
鹿児島沖で台風発生、初上陸=太平洋高気圧ずれ「北生まれ」-発表に遅れ(時事通信)
気象庁は14日夕、鹿児島県の東海上にあった熱帯低気圧がごく小さく弱い台風16号になり、午後5時ごろ宮崎県串間市の都井岬付近に上陸したと発表した。台風の上陸は今年初めて。台風の周辺や東側には暖かく湿った空気が流れ込んでおり、同庁は大雨と強風に警戒を呼び掛けている。今年の夏、太平洋高気圧の中心位置が平年より北東にずれた影響で、平年より北よりの位置で台風が発生するケースが相次いでいる。
[時事通信社 1999年 9月15日 00:36 ]
台風7号のアジア名はカルマエギKalmaegi。世界中から愛されている(爆)あの北朝鮮が提出した名前で,“かもめ”という意味らしいです。キムチの悪臭をまき散らすようなカモメですけどねえ……。ついでに,キムチ食ったら電車に乗るな!!
そのカルマエギ,どうも北朝鮮に錦を飾りそうです。コースを間違えて韓国に行ってしまう可能性もありますが。まあ,たいした違いではないです。
そしてかの国では毎年のように起こっている水害が今年も起こりそうです。どうせまた,カネよこすニダ,食いもんよこすニダと恥ずかしげもなく騒ぎ出すことでしょう。
台風6号Fengshenが発生し,フィリピンあたりをウロウロしています。
歴代の6号を見てみると,なかなか興味深い台風があります。
まず,1961年の6号。6月26日21時に四国沖で台風になり27日15時には“弱い熱帯低気圧”に戻った短命の“弱い”台風でしたが,梅雨前線を刺激して昭和36年梅雨前線豪雨の原因のひとつとなった台風でした。
1965年の6号Amyは,5月27日に千葉県館山市付近に上陸しました。51年ぶりとなる台風の5月上陸でした。
この台風は前線を刺激して,関東・東海地方などに大雨を降らせました。キーストンが逃げ切った泥んこの日本ダービーをもたらしたのはこの台風です。このダービーについては能天気Express~新世界版~ 泥んこダービー(の後半部分)をご覧下さい。
また,前年に開通したばかりの東海道新幹線が全線で不通になり,雨に対する脆弱さを露呈しました。
ちなみに,東海道新幹線はこの年の12月,雪に対する弱さも天下に晒すことになります。これについては能天気Express~新世界版~ 1084mbのシベリア高気圧をどうぞ。
1976年の6号Pamelaはグアム島を直撃,日本からの観光客800人が電気が止まり飲料水が不足しているホテルにカン詰めになり,救援機が日本から飛び立つ騒ぎになりました。
最近では2004年の6号Dianmu。6月21日09時半ごろ,強い勢力のまま高知県室戸市付近に上陸しました。その後,「21日13時過ぎに兵庫県明石市付近に再上陸し,21 日午後には京都府舞鶴市付近を通って日本海へ進み,能登半島の沿岸,佐渡沖を通って 22 日 3 時に津軽海峡の西で温帯低気圧に変わった」。
6月20日から21日には、沖縄地方から東北地方にかけて台風接近・通過時を中心に暴風となり、高知県室戸岬で最大風速43.7m/s(最大瞬間風速57.1m/s)、沖縄県南大東島で最大風速28.6m/s(最大瞬間風速48.7m/s)などを観測した。
また、18日から22日にかけての総降水量は、三重県、高知県、徳島県で400mmを超え、九州地方から東海地方にかけ
ての太平洋側で300㎜を超えた所があった。
~気象庁「平成16年台風第6号による6月18日から22日にかけての大雨と暴風」~
この台風によって5人が死亡または不明になっていますが,少なくともそのうち4人は自爆のようなものでした。能天気Express~新世界版~ 楽しい?!高波見物をご覧下さい。
この台風を語るには,加太海岸での“度胸試し”や静岡大学モダンダンス部御一行様の“バーベキューパーティー”に加えて,やはり次の“事件”を抜きには語れません。
21日午後1時10分ごろ、近江八幡市西生来(にしょうらい)町で、ホテルの屋根が台風6号の強風に吹き飛ばされ、すぐ前の国道8号を越えて、約30メートル離れた東海道新幹線の架線上に落下、電線4本を切断した。当時、新幹線は岐阜羽島-京都間で運行を見合わせていたため、惨事にはならなかった。JR東海がクレーン車で屋根の撤去作業を続け、午後8時10分、約7時間ぶりに運転を再開したが、列車は運休が相次ぎダイヤは混乱した。
滋賀県警などによると、屋根は幅10メートル、長さ約40メートルのトタン板製。ホテルは今年4月に改装オープンしたばかりで、トタン屋根は今年1月、雨漏り防止と断熱目的で従来の屋根を補強するため設置したという。
屋根は、高さ約20メートルの位置にあり、強風にあおられ約40メートルまで舞い上がった。架線に落下した際、トタン板の中央部分が折れ曲がって「く」の字型になり、架線全体をまたいだ状態になった。
ホテルの店長(54)は「こんなことになるなんて、信じられない」と肩を落としていた。(京都新聞)
[6月21日23時2分更新]
この記事にはたんにホテルとしか書いてありませんが,いわゆるラブホテルです(笑) このホテル,今も営業しているようです。損害賠償とかはどうなっているのでしょうね?