1月10日,板橋区高島平の路上で,広告会社社員の他殺死体が発見されました。(内田康夫『若狭殺人事件』)
日別アーカイブ: 2007/01/10
寒四郎と寒九
去年の冬を例に挙げるまでもなく,なかなか当たらないのが長期予報です。統計の取りかたによりますが的中率は30%台といわれています。
一方で,とくに夏季の天候をできるだけ早い時期に知りたいという需要は昔からありました。その結果として編み出されたのが昔流の“長期予報”です。しかし根拠があるわけではないので,一種の占いです。「寒四郎」と「寒九」も,ある特定の日の天気をもとにした昔流の“長期予報”です。
寒の入り(=小寒)から数えて4日目は「寒四郎」とよばれます。麦作の厄日とされており,この日の天候によって収穫が影響されるといわれていました。この日が晴れだと豊作だが,雨や雪だと凶作になるということのようです。ただ,いろんなバリエーションがあり,「彼岸(ひがん)太郎,八専(はつせん)次郎,土用(どよう)三郎,寒(かん)四郎」と十把(四把?)ひとからげでよばれることが多いようです。
「彼岸」はこの中ではいちばん有名で,春分・秋分を中日とする7日間(ただしここでは春のほう)です。
「八専」は暦の本によると,“日の干支で壬子から癸亥までの12日間のうち,五行の同気が重なる日”で,60日ごとにあらわれますが,ここでは時期から考えて3月ごろのことで,今年は03/19から03/30のうち,03/20,03/23,03/25,03/29を除く8日です。
「土用」はもちろんここでは夏の土用ではなくいわゆる冬土用で,今年は01/17から02/03までです。
以上から,この“長期予報”を今年にあてはめると,01/09,01/19,03/21,03/18の天気で今年の豊作,凶作が決まるということです。
ただ,「彼岸太郎,八専次郎,土用三郎,寒四郎」はその年の作柄の“長期予報”ではなく,それぞれ彼岸,八専,(冬)土用,寒の間の天気を占うとする地方もあり,そうなると“長期予報”というよりは“週間予報”に近い感じです。
また,寒の入りから9日目は「寒九」とよぱれます。この日は寒四郎とは逆で,この日の雨は「寒九の雨」とよばれ,豊作の兆しとされていました。
ところで,「北風小僧の寒太郎」でおなじみの“寒太郎”は,寒四郎や寒九と同じようなものだとすれば寒の入りから数えて1日目,要するに数えるまでもなく小寒のことですが,この日の天気から占う“長期予報”はとくにないようです。
ただ,作詞者に意図があったかどうかはともかく,この歌は寒太郎=小寒から暦の上の寒がはじまるということを擬人的によく表わしている歌だと思います。「みんなのうた」では堺正章さんが歌っていましたが,田中星司さんの歌のほうがσ(^^;)は好きでした。