雨の中,NHK がモータースポーツをはじめて生中継

20年くらい前までNHKはモータースポーツをスポーツと認めていなかったそうで,ニュースでも無視(ただし,1977年富士スピードウェイで開かれた日本GPでの観客死亡事故は伝えたようです),当然生中継などすることはありえませんでした。大昔はプロレスを生中継したこともあるのに……。

ところが,時代の流れか,中島悟がロータスに加入したころが風向きが変わり,1987年シーズンの開幕前に子ども向け情報番組(「600こちら情報部」だと思ったら違ったようだ)でF1特集が企画され,中島悟が電話出演したりしました。

そして1989年4月8日,NHKが鈴鹿サーキットから世界スポーツプロトタイプ選手権(WSPC)第1戦の予選を中継することになりました。しかし――。

当初は13時からの公式予選2回目を生中継する予定だったようですが,日本の南海上を通過中の低気圧に伴う大雨のため,予選2回目は翌日,決勝の朝に延期になり,マシンの走行の生中継も事実上,翌日に延期になりました。

というわけで,初の生中継が行なわれたのは4月9日です。決勝レースではザウバー・メルセデスがワンツーを決め,この後しばらくメタリックシルバーのマシンがWSPCを席巻することになります。WSPCのシリーズからは外れましたが,この年のルマン24時間もワンツーフィニッシュでした。ちなみに,まだユノディエールがシケインで分断されず,テルトルルージュからミュルサンヌまで6kmの直線だった時代です。

ついでですが,この年からしばらくの間(数年前までやっていたような気が……),NHKはBS1で鈴鹿8耐を毎年生中継することになります。そういえば,この年の中継には本田美奈子さんがスポットゲスト出演したんですよねえ……。