月別アーカイブ: 2007年8月
佐渡島の大ザレ川に変死体
DQNサーファー落雷事故
今年は水による事故が多いような気がしますが,例年,7月下旬から8月上旬にかけては落雷による人身事故が多い時期です。夏休みにはいってちょうどお出かけごろ……ということもあるでしょうが,お天気サイドから見ると,この時期は太平洋高気圧の勢力が一時的に弱まり,上空に寒気がはいって大気が不安定になりやすい,ということができます。ただしこれはあくまでスローガン的なもので,もちろん年によって違います。
この時期の落雷死亡事故をざっと見てみましょう。すべてを網羅しているわけではありません。そんな根気はないし,興味も関心もありません。
1955/08/03 長野県伊那富士見台でキャンプ中の中学生4人
1967/08/01 西穂高岳の登山パーティーの11人
1971/08/08 朝日連峰で高校生を引率中の教師1人
1973/08/05 長野県の校庭や水田などで3人
1973/08/06 日光のゴルフ場で2人
1974/08/02 大阪のゴルフ場で3人
1975/08/06 三重県のゴルフ場で2人
1987/08/05 高知でサーファー6人
1991/07/27 宮城県のゴルフ場で1人
1998/08/12 愛知県のゴルフ場で1人
2001/08/04 岡山県のゴルフ場で1人
これを見ると,昔は登山中の事故が多かったのに対し,最近はスポーツ中(とくにゴルフ)の事故が多いように見えますが,一般的な傾向なのかどうかはわかりません。
一般に,落雷事故は人災的な面が大きい場合が多いです。その中でも起こるべくして起こったとしかいいようのないのが,1987年8月5日に高知の生見海岸で起こったサーファーの死亡事故です。
この日,日本海に前線を伴った低気圧があり,前線がゆっくりと南下,その前線に向かって暖かい湿った空気が流れ込んでいました。一方,上空には寒気がはいってきており,上層に寒気,下層に暖湿気流という,大気の不安定の典型的な(というより入門的な)パターンになっていました。このため高知地方気象台は,01時20分に雷雨注意報(今の雷注意報に相当)を発表していました。
ちなみに,内陸部の雷は午後から夜にかけて発生することが多いですが,海岸部では夜間から早朝にかけて発生することがよくあります。これは内陸部の冷えた空気が陸風によって海面上の比較的暖かい空気の下にもぐりこんで持ち上げるから,と考えられています。
さて,5日早朝,生見海岸では激しい雨にもかかわらず,約50~60人がサーフィンをしていました。しかし,雷鳴が聞こえたため20人は岸に上がり,残りは2つのグループに分かれてなおもサーフィンを続けていました。06時45分ごろ,このうちのひとつのグループに落雷,20人ほどが気を失って海に浮かびました。付近の民宿の人や無事だったサーファーらが救助しましたが,6人が死亡,2人が重体,5人が重軽傷を負いました。このとき雷の直撃を受けたのは1人で,あとは海水を伝わる電流に感電したようです。事故の直後,現場の海は不気味に赤茶けて泡立っていました。(以上,高知新聞による)
頭の上で雷が鳴っているのにサーフィンを続けるなどという行為が自殺(未遂)行為以外の何ものでもないことは,少なくともこのときサーフィンを続けていた連中以外には稲光を見るより明らかでしょう。
ところが,なんだかよくわかりませんが,「海には雷は落ちない」という伝説があったそうです。実際,それまではサーフィン中の重大な落雷事故はなかったようです。しかし,裏を返せば雷が落ちるような危険な状況でサーフィンをするようなDQNはそれまではほとんどいなかったといったところなのでしょう。かりに海に雷が落ちなくても,人や船には落ちます。
一般論でいえば,事故がないからといって安全だとは必ずしもいえません。安全でないからといって事故が起こるとは限らないからです。
産業災害では,「ハインリッヒの法則」とよばれる有名な経験則があります。
1件の重大災害の陰には29件のかすり傷程度の軽い災害があり,さらにその陰には300件のケガはないもののヒヤッとした体験がある。
そのままあてはまるかどうかは別として,こういった無謀事故を考えるときの参考にはなるでしょう。
ちなみに,この朝,生見海岸に近い東洋町の甲浦漁協では,大雨と激しい雷雨のために出漁を取りやめたそうです。「午前四時ごろから生見の沖台方面に出漁するのだが,今年一番の激しい雷雨が休漁させた」(高知新聞)
シツコイようですが,こんな中でサーフィンを続けるなんてのは狂気の沙汰です。こんなDQNが引き起こした事故の処理に税金が使われるのは納得できません。かかった費用は本人か遺族に請求すべきです。
町議会議員が高千穂線の列車にはねられる
8月5日,高千穂町議会議員が高千穂線の列車にはねられました。(内田康夫『高千穂伝説殺人事件』)
その後,高千穂線は三セクの高千穂鉄道になりましたが,一昨年の台風14号による増水で橋梁が2つ流され,復旧の見通しが立たず,廃止が決まりました。「神話高千穂トロッコ鉄道」という名前で部分再開を目指しているという話もあります。
ウサギさんは星になりました
平成19年 台風第5号に関する情報 第117号 (位置)
平成19年8月4日21時45分 気象庁予報部発表
(見出し)
台風第5号は温帯低気圧に変わりました。
(本文)
台風第5号は4日21時に温帯低気圧に変わりました。
中心は日本の東の
北緯42度、東経145度にあって、
1時間におよそ55キロの速さで東北東へ進んでいます。
中心の気圧は1000ヘクトパスカルとなっています。
今後24時間以内に最大風速は20メートルに達する見込みです。
これをもって台風第5号に関する情報は終了します。
なお、台風から変わった低気圧の周辺では引続き強い風が吹いています。
今後は海上警報等を利用して警戒して下さい。
台風5号,3回目の上陸
ウサギさん,3回目の上陸です。
平成19年 台風第5号に関する情報 第107号
平成19年8月4日13時45分 気象庁予報部発表
(見出し)
台風第5号の中心は、4日13時頃に、青森県津軽半島に上陸しました。
(本文)
本文なし
台風中継のヤラセ
民放では,レポーターがよせばいいのに風雨の中にのこのこ出ていって「ものすごい風です」とかレポートする台風中継をいまだに放送しているようですね。アホくさ。
いうまでもなく,あれは一種のヤラセです。100歩譲っても,かつて一世を風靡した「川口探検隊」(今は藤岡探検隊)のようなショーです。いずれにしてもニュースの時間に放送すべきものではありません。
マヌケレポーターのちょっとした不注意で発覚したヤラセ中継については2005年にちょっと話題になったのですが,最近その動画が出回っています。↓
YouTube – 阿部レポーターの台風中継(台風中継後スタスタ歩く)
最後の1~2秒によってそれまでの苦労が水の泡,中継そのものがヤラセだったことがバレてしまいました。
ちなみに,ギョーカイではヤラセではなくヤリというらしいです。
ググってみるとこの動画をこの前の台風4号のときの放送だとカン違いしている人がいるようですが,2005年の14号のときのものです。動画にちゃんと14号と書いてあるのにどうして間違えるんだ?
人間が風の中で立っていることのできる限界は20m/s程度といわれていますが(体験済み(笑)),これはあくまで一様な空気の流れの中での話であって,実際の風にはいわゆる風の息があるために前後左右にゆさぶられることになります。これではバランスをとるのが精一杯で,とてもレポートなどできません。まあ,それでもレポーターはせいぜいマイクしか持っていないので楽でしょうが,真っ先に洞窟にはいらなければならないカメラマンや照明さんはどうなんでしょうねえ……。
結局,何か物体が飛んできたりする危険なども考えると,限界は10m/sってところではないでしょうか。いずれにしても“台風中継”ができるということはレポートできる程度の風しか吹いていないということであり,裏を返せば風は吹いているけれどもさほどでもないということを身をもって知らせているわけです。コワいヘビがしっぽから襲ってきたり,ヘビの攻撃を避けると動かないサソリが襲ってきたりするようなものでしょう。
1965年9月18日未明,台風24号の取材のために東京・江東区方面に出動していたラジオ関東(現・ラジオ日本)の取材車が,記者やアナウンサーら6人を乗せたまま晴海埠頭から海に転落,全員死亡するという事故が起こりました。光る海面を舗装道路と見間違えたのだろうといわれていますが,全員が死亡したため真相はわかりません。ヤラセではない本当の台風中継がいかに危険なものかがわかります。
津波注意報原文
残念なお知らせ
梅雨の時期に関する関東甲信地方気象情報 第2号
平成19年8月1日10時30分 気象庁発表
(見出し)
関東甲信地方は梅雨明けしたとみられます。
(本文)
太平洋高気圧が強まり、関東甲信地方は、現在晴れているところが多くな
っています。
向こう1週間は、湿った気流の影響で雲が広がる日があり、にわか雨の降
るところもありますが、太平洋高気圧に覆われて、おおむね晴れる見込みで
す。
このため、関東甲信地方は8月1日ごろ梅雨明けしたとみられます。
↑だそうです。残念……(何が?(笑))。