1894年12月11日,颱風が房総半島に上陸したもようです。
「東京市史稿」より:
明治颱風誌ニ據レハ,十一月二十七日ヨリ十二月十二日ニ至ル颱風有リ。十二月十一日房総半島ヲ過グ。
また同記録によると,東京では10日には最大風速10.3m/s,降水量61.8mm,11日には最大風速13.5m/s,最低気圧735.9mmHg,降水量39.2mmを観測しています。
この颱風による強風雨のさなか,赤坂区権田原の民家から衣類数点を盗んだ泥棒が皇宮警手に怪しまれて跡をつけられたことから狼狽し,こともあろうに青山御所の土塀を乗り越えて御所の中に逃げ込みました。もちろんすぐに取り押さえられたことはいうまでもありません。「そゝつかしい奴もあるものかな」(東京朝日)。