1965年12月16日,気象庁の地上天気図上で,バイカル湖の南西に1084mbの高気圧が解析されました。これは1947年12月16日に解析された1085mbに次ぐものです。
その一方で,日本海北部を進んだ低気圧がサハリン付近で982mbまで発達したため,東西の気圧差は100mbに達しました。それと同時に上空約5000m(500mb等圧面)に-45℃以下の寒気がはいってきたため,日本各地は強い季節風と寒気にスッポリおおわれる形になりました。
札幌で-10℃まで下がって猛吹雪になったのをはじめ,青森,秋田,仙台などでも吹雪になり,-9.2℃の最低気温を記録した青森では最大瞬間風速が36m/sに達しました。
関東地方でも,南総の館山で34年ぶりの積雪を観測,辻堂−茅ヶ崎間の東海道本線の線路に寒さのためのひび割れが起こりました。
開通2年目の東海道新幹線は,岐阜羽島−米原間の積雪のために16日13時ごろから徐行運転となり,18時半ごろには米原駅構内でポイントが雪に埋もれたために一時運転を見合わせました。そして17日01時過ぎにはラッセル車を出動させましたが,降る雪に追いつかず,17日には新幹線の6割が運休する事態になりました。さらに18日も車両点検のために大幅な間引き運転となりました。
この年の5月末の台風6号による大雨で雨に対する弱さを露呈した東海道新幹線は,雪に対する弱さも晒す結果になりましたが,当時は雪と車両故障との因果関係がまだわかっていなかったのでした。
名古屋では18年ぶりとなる積雪21cmを観測,この影響で18日の中京競馬は中止になりました。雪による開催の中止は日本中央競馬会発足以来はじめてのことです。
このように12月としては記録的な大寒波襲来となりましたが,比較的短期間で終息しました。
〜(N)2006.12.16〜