TTG伝説とよばれる叙事詩があります。ここ10数年くらいの間に競馬ファンになった人の間では文字どおり伝説になっていますが,これは1970年代後半に実際にあったドラマです。そのクライマックスが1977年12月18日,第22回有馬記念でした。
TTG伝説を語るには,テンポイントのデビューからはじめるだけでは不十分で,その祖母クモワカの桜花賞からはじめなければなりません。したがって有馬記念に至るドラマは涙を呑んで省略します。さすがに見ていませんしねえ(笑)>クモワカの桜花賞
クモワカの子でテンポイントの母ワカクモの桜花賞についてはTTG伝説のプロローグ: 能天気Express〜新世界版〜をご覧下さい。クモワカの桜花賞についても少し書いてあります。
さて,その有馬記念ですが,先頭を走るトウショウボーイと2番手でピッタリマークするテンポイントのスタートからゴールまで息をつかせない壮絶な一騎討ちでした。4角を回って先頭に立つテンポイント,一杯になったと見えたトウショウボーイに襲いかかるグリーングラス,内から差し返すトウショウボーイ。そしてテンポイントが先頭でゴールイン……。何度もビデオで見ているせいもありまして,昨日のことのようによみがえります。
このレースはトウショウボーイの引退レースで,現役を続けるテンポイントとしてはどうしても勝たなければならないレースでした。そしてこれで名実ともに日本最強馬となり,晴れてヨーロッパ遠征に向かうことになったのでした。
テンポイントのその後はあまりにも有名ですが,σ(^^;)的には壮行レースとなった日経新春杯に66.5kgの極量で快勝,その秋の凱旋門賞も,まだ創設されていないブリーダーズカップクラシックも快勝したことになっています。
ただ1頭現役を続けたグリーングラスは,1978年の天皇賞・春で亡きライバルに捧げる(ホントか?)勝利,そして1979年の有馬記念を制してTTG伝説の幕引きをみごとに勤めました。
その後,トウショウボーイは初年度に三冠馬ミスターシービーを出すなど種牡馬として大活躍したのは記憶に新しいところです(もう新しくもないかも(笑))。しかし,1992年に蹄葉炎を発症,悪化したため安楽死となりました。その直後にNHKで「日本競馬史上最高の名勝負」という番組が放送されました。↓
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グリーングラスはステイヤーという血統背景から種牡馬としてそれほど期待されていたわけではないようですが,意外な健闘を見せました。代表産駒はトシグリーン(なぜかスプリンター)とトウショウファルコでしょう。