インディギルカ (1939年)

1939年12月12日,北東の風20m/sという暴風雪の中,北海道の猿払村浜鬼志別の沖合0.8マイルのトド島付近で,ソ連の貨客船インディギルカ号(4500トン)が座礁しました。その後,大シケの中で横転。

700人以上乗っていたことは確かなようですが,正確な数は不明です。というのも,政治犯輸送船だったからです。ソ連の秘密のベールに包まれていました。

猿払村などの人々の献身的な救助で400人あまりが救助されました。夏季に鹿児島港沖1.6マイルで座礁したくろーばー号とは違い1,大シケの中でのこの生存者数は奇跡に近いでしょう。当時は特殊救難隊も機動救難士もいませんでしたし。

いろんな意味でタイタニックより悲劇的な遭難事故ですが,国内でもあまり知られてこなかったようです。私が知ったのも10数年前です。NIFTYのFZENFというフォーラムででした。ググればいくつかのサイトがヒットするので,最近は情報が増えたようです。謎が多かったインディギルカ号の悲劇とは? | 北海道ファンマガジンがいちばんわかりやすいと思います。

ちなみに,インディギルカとは酷寒の東シベリアの中でももっとも寒いオイミャコンを流れている川の名前です。ただし船名をこの川の名前からとったのかどうかは不明です。

参考文献: 原暉之. インディギルカ号の悲劇 – 1930年代のロシア極東. 筑摩書房, 1993.

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  1. なんかの映画での話です(笑) 詳しくは当ブログの史上最大・最悪の海難事故発生!!くろーばー号船長の海難審判をご覧ください。