春には花の下で ~昭和のうた~

春には花の下で」でググったらいきなりこんな動画が出てきたんですが,いったい何なんでしょう(笑)?

これから紹介しようとしている「春には花の下で」は,作詞:山川啓介,作曲:芥川也寸志,歌:五堂新太郎。1977年にワーナー・パイオニアから発売されました。

なんと,「天は我々を見放した……」で有名な映画「八甲田山」のイメージソングです。つまり上の動画とまんざら無関係ではありません。

イメージソングなので,映画のストーリーとは直接関係はありません。やるせない愛の心象を白い雪地獄に投影しているような歌です。

ただ,1番~2番はいいのですが,3番が気持ち悪いです。

おれの死ぬ日が もしも春なら
桜の下に 埋《うず》めておくれ
次の春には 花になって
おまえの髪に 落ちて行《ゆ》けるように
そっと大地に 帰って行《ゆ》こう

“もしも”つきではあるとしても,おまえに取り憑いてやるぞー!!と宣言しているようなもので,いわれたほうはたまらなく不気味だと思います。

桜の木の下に死体のまま埋まっていてくれよ……と思ってしまいます。

おそらく西行法師の有名なあの歌と梶井基次郎氏の『桜の樹の下には』へのオマージュと思われますが,ちょっとね……。しかも西行法師は反魂の秘術の使い手(?)でしたからね。

五堂新太郎さんは今ではほとんど知られていませんが,「八甲田山 オリジナル・サウンドトラック」の解説書によると,当時は「中年の新人」と話題をまいたシンガーソングライターだったそうです。ちなみに,この歌の歌手を決めるオーディジョンにはあの子門真人さんも参加したとのことです。

残念ながら歌を載せることはできないので,ここでは映画「八甲田山」の予告編を貼っておきます。「天は我々を見放した……」のシーンもあります。

なお,「八甲田山」の史実についてはこのブログでも取り上げていますので,よかったらお読みください。若干古いですが。

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