1954年8月18日02時ごろ,台風5号が鹿児島県西部に上陸しました。
台風はその後九州を横断,四国・近畿から中部地方を通過して三陸沖に抜けました。(下図=気象庁HPより作成=参照)
この台風によって九州と四国で400mmにのぼる雨が降り,各地で死・不明61,家屋損壊5442,同浸水32265などの被害がありました。
ところで,この台風の進路について,中央気象台と大阪管区気象台は違った観測を発表していました。最も食い違ったのは19日02時前後で,中央気象台の「台風の中心は淡路島付近を北東進中」に対し,大阪管区気象台は「台風は和歌山県御坊付近に上陸し,紀伊半島中部を東北東に進んでいる」としていました。距離にすると100kmも違っていました。
結局,19日05時半ごろ大阪管区側が中央の観測に乗り換えて観測の食い違いは終息するのですが,「台風進路予想の当り外れは毎度繰返すが,現に進行している中心位置を取り違え,同じ天気図に全く違った台風コースを書き入れたのは珍しいという」(8月24日付朝日朝刊)。