1999年8月24日,寒冷前線の通過により,首都圏は夕方から夜にかけて激しい雷雨となりました。この影響で,山手,中央,京浜東北線が相次いで運転見合わせ。それだけならともかく,バックアップ用の送電線まで被雷するというお粗末ぶりを発揮しました。
寒冷前線の通過に伴い、首都圏は24日夕から夜にかけて、激しい雷雨に見舞われた。落雷により、JR東日本では山手、中央、京浜東北など12線が午後6時半前から相次いで運転を見合わせた。営団地下鉄や西武線も一部区間で一時、運転中止となった。各線のダイヤの乱れは25日未明まで続き、約50万人に影響が出た。JR東日本は「落雷事故としては会社発足以来最大」としている。気象庁によると、東京都練馬区で1時間に60ミリを超える雨量を観測した。東京・多摩地区では延べ12万3000世帯が一時停電したほか、神奈川県や埼玉県でも一部地域で停電した。
JR東日本によると、午後6時25分ごろ、東京都昭島市のJR拝島駅付近で落雷があり、付近の信号機がすべて赤表示となった。このため、青梅線などで運転を中止した。午後7時20分ごろには、都内の小金井市と横浜市を結ぶ送電線に落雷。首都圏7路線への送電が一斉に止まり、中央、山手、京浜東北、高崎線などがストップした。別の変電所からの送電に切り替え、1時間から2時間後に順次運転が再開された。
しかし、中央快速線は豊田駅近くの信号故障で再開に手間取り、運転再開は25日午前零時半過ぎとなった。満員の乗客を乗せた電車数本が、3時間以上にわたって駅間で立ち往生したり、飯田橋駅付近で一部の乗客を線路上に降ろしたりした。埼京線も保安装置の故障で再開が遅れた。
横浜線や南武線も別の落雷の影響で運転を中止したほか、営団地下鉄東西線や西武拝島線も乱れた。東京都の午後11時現在のまとめによると、あきる野市でほぼ全域にあたる2万3000戸、青梅市で3万戸、八王子市で2万戸など計7万4000戸余りが停電した。また、練馬区や青梅市などで9棟が床上、25棟が床下まで浸水したほか、14カ所の道路が冠水し、瑞穂町の都道2カ所が通行止めになった。
東京電力によると、神奈川県内では午後7時すぎから横浜市鶴見区と川崎市中原区で延べ8920世帯が、埼玉県内でも午後6時半ごろから浦和、所沢、川越などで延べ6750世帯が停電した。(01:09)
asahi.com 1999/08/25(Wed)