1899年8月28日,台風が九州南部に上陸,その後速い速度で四国,中国地方を通り,日本海に抜けました。
この台風は,例えば“別子銅山 台風”などでググるとけっこうヒットするので,古い割にはけっこう知られているようです。良質なサイトも多く,σ(^^)がとくにつけ加えることはないでしょう。
これだけというのもアレですので,1899年9月1日付東京朝日より:
去廿八日大隅國大島の南東方より九州の南端に向て襲來せし低氣壓は同日午後二時に於ては其深度左まで大ならざるが如き觀ありしが漸時北東に進行して其中心の四國中央を縱貫するに當ては全然深厚なる大風となり午後九時多度津附近を經過せしときは實に七百二十四粍四の低度に達し同地及び其對岸岡山に於ては颶風となり多度津の風速度は一秒間五十二米即ち一間面に對する直壓力二百八十六貫に及べり爾來中心は一時間約六十哩の大速度を以て日本海に突出し廿九日午前六時には既に其所在を決するに至れり・・・・・・
風速を風圧に換算するあたり,今よりも高度な記事かも……(笑) どういう意味があったのかはわかりません。ちなみに,風圧は風速の2乗に比例し気温(絶対温度)に反比例します。
ところで,記事の中に「全然深厚なる大風となり」とあり,今流の「全然おいしい」と同じような使いかたです。今では言葉にうるさい人が文句をいいそうな“全然”の使いかたですが,当時は一般的に使われていた表現でした。
もし「全然おいしい」といって文句をいわれたら,本来の使いかたを知らんのか,このヴォケが!!!と文句をいいかえすことも可能です(笑)