1954年9月18日21時ごろ,台風14号Lornaが御前崎の東方に上陸しました。その後,駿河湾に出て,伊豆半島を横切り,19日00時ごろ房総半島に再上陸しました。
気象庁は上陸が目前に迫った17日15時の中心位置を「北緯28度30分,東経135度30分」といったん発表したあと,「北緯27度50分,東経134度20分」に,距離にして約100kmも南西に訂正しました。このため予測上陸地点も大きく変更され,各地の防災担当者をあわてさせました。当時の観測体制ではいたしかたなかったところです。
ところで,14号が去ったあとの20日付朝日新聞に次のような気になる記事が。
台風,もうおしまい?
中央気象台の話 来月上旬から秋晴れ台風十四号は十九日午後には岩手県三陸はるか東方の太平洋に去った。中央気象台の話ではいまのところグアム南方海洋上に弱い熱帯性低気圧があるだけで,どうやら今年の台風は大体出つくしたかたち。廿一日ごろから大陸の冷い大気がのび出して彼岸から今月末までは関東南部には朝晩秋雨が訪れはじめ,本格的な秋晴れは十月上旬からということだ。
“グアム南方海洋上”にある“弱い熱帯性《ママ》低気圧”がのちの洞爺丸台風です。