登校時に台風がやってきたら?

1934年9月21日の05時ごろ,台風が室戸岬付近に上陸しました。室戸台風です。室戸岬で05時10分に観測した「684粍」は驚異的なもので,当時の世界最低気圧でした。その後台風は淡路島から神戸市付近を通り,富山湾に抜けました(さらに秋田付近に再上陸して東北地方を横断,太平洋に去った)

台風の大阪接近がちょうど登校時またはその直後にあたっていたため学校での被害が多く,京阪神で293校が倒壊,生徒・教職員893人が死亡したと記録されています。

死亡した教職員の中には生徒をかばって死亡した教師たちも少なからずいたようです。なかでも6人の女の子をかばって犠牲になった豊能郡の豊津小学校の吉岡藤子訓導はその生い立ちもあって有名になり,「嗚呼吉岡藤子先生」という映画にもなりました。

教師を見たら性犯罪者と思うのが当たり前の現在ではとても考えられません。いまの教師ならほとんどがわれ先に逃げ出すでしょう。いや,こんな状況ではそもそも学校に来ないかもしれません。それはそれである意味当然の選択ですが。

ちなみに,“御真影”を救出しようとして亡くなった校長もいたそうです。当時としては当然の行為だったかもしれませんが,たかが写真のためにバカバカしい話です。亡くなったかたは気の毒でした。

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