台風13号に関する総合情報第2号

きょうの16時40分に気象庁が発表した台風第13号に関する情報 第2号です↓

平成20年 台風第13号に関する情報 第2号
平成20年9月10日16時40分 気象庁予報部発表
(見出し)
 強い台風第13号が、発達を続けながら沖縄の南の海上を北上し、12日
から13日にかけて先島諸島に接近する見込みです。先島諸島では、今後、
風が強まり、波もうねりを伴い次第に高まってきますので十分注意・警戒し
てください。
(本文)
[現況]
 強い台風13号は、10日15時には沖縄の南の海上にあって、ゆっくり
とした速さで北北西へ進んでいます。中心の気圧は945ヘクトパスカル、
中心付近の最大風速は40メートル、最大瞬間風速は60メートルで、中心
から半径200キロ以内では風速25メートル以上の暴風、中心の北東側4
60km以内と南西側370km以内では風速15メートル以上の強い風と
なっています。
[今後の予想]
 台風はさらに発達しながら、ゆっくりとした速さで北上し、12日から1
3日にかけて先島諸島に接近する見込みです。
[防災事項]
<高波>
 先島諸島では、台風の接近に伴って、11日明け方にはうねりを伴い波の
高さが6メートルを超える大しけとなり、12日から13日かけて波はさら
に高くなるでしょう。
<強風・暴風>
 先島諸島では、10日夜遅くから風速15メートル以上の強風域、12日
には風速25メートル以上の暴風域に入るおそれがあります。
 今後、先島諸島では、台風の接近に伴い、風は強まり、波は高まる見込み
です。強風、暴風や高波に注意、警戒してください。
[補足事項]
 今後の台風情報や地元気象台が発表する注意報、警報、気象情報などに留
意して下さい。
 次の台風第13号に関する情報(総合情報)は、11日5時頃に発表の予
定です。

海外のいくつかの機関の予報をネットで見ると,この台風の予報はまちまちで,なかなか面白いです。

にほんブログ村 環境ブログ 天気・気象学へ

台風13号外伝~電光石火作戦~

前の日記に書いたように台風13号Sinlakuの動きが気になるところですが,台風13号といえばウラン怪獣ガボラです。

1966年9月11日,要するに42年前の明日,「ウルトラマン」第9話「電光石火作戦」が放送されました。その冒頭は次のようなナレーション。ナレーターはまだ石坂浩二さんです。

台風13号は本日午後3時14分,伊豆半島に上陸北上中。中心付近の気圧は913mb,最大風速45m/s,暴風圏は半径50km。

上陸時刻が分刻みだったり,中心気圧の割には最大風速が弱かったり,“暴風圏”(今流でいえば暴風域のことでしょう)にいたっては信じられないくらい狭かったりしますが,あくまでドラマ上の台風ですからツッコまないことにします。

それよりも,このお話,今に通じる教訓を含んでいます。“非常に強い”台風がやってくるというのにバカ少年団がキャンプを続行して孤立,この連中の存在がウラン怪獣ガボラ退治のジャマになります。DQNの無謀な行為はいつの時代も迷惑をまき散らします。こんなやつらほっときゃいいのに……。

それにしてもホシノというガキ,何回見てもウザいなあ……。


にほんブログ村 環境ブログ 天気・気象学へ

台風13号列伝(1)

沖縄の南海上にある台風13号Sinlakuの動きが気になるところですが,忘れたころに登場する「台風××号列伝」,もちろん13号です。歴代の13号の中から今回は1953年の13号Tessを取り上げたいと思います。

とはいうものの,この台風については気象庁のHPに台風第13号 昭和28年(1953年) 9月22日~9月26日として載っていますので,台風そのものものや被害状況についてはそちらを参照してください。

ここでは気象庁のHPには載っていないことを紹介します。

13号が日本に近づいてから,気象庁の進路予想はネコの目のように二転三転しました。とくに上陸が間近となった25日の09時から12時までの間に,「室戸岬から紀伊水道へ」「潮岬から東海地方へ」「やはり紀伊水道へ」「やっばり東海地方へ」というように3回も大きく変わりました。

テスTessといえば,トマス・ハーディの小説『ダーバヴィル家のテス』(Tess of the D’Urbervilles)の主人公で,純情でだまされやすい女性です。しかし13号Tessは性格的には正反対,気象庁をだまし続けたわけです(笑) もしかして,だまされるほうが悪い?

この台風の勢力は,当時としては1945年の枕崎台風に次ぐ戦後2番目のものでした。その割に被害が少なかったのは,大都市を避けて通ったから……ということがあげられます。9月26日付読売新聞に次のようにあります。(送りがななどは原文のまま)

珍らしい“田舎まわり”型

・・・・その通過地点がほとんど大都市をさけていわば“田舎まわり”となったために幸い大都市には予想されたほどの被害をもたらさなかった。

今なら抗議殺到,まずお目にかかれない表現でしょう。

ちなみに,この13号による被害の復旧・復興をめぐる行政のドタバタを描いたルポルタージュ,杉浦明平『台風十三号始末記』(岩波新書)はなかなか面白いです。今も変わっていないでしょう。

にほんブログ村 環境ブログ 天気・気象学へ
にほんブログ村