3月の最深積雪(1969年)

1969年3月12日の東京は,未明から雪が降りはじめ,15時には積雪が30cmに達しました。これが東京における3月の歴代最深積雪になっています。

というわけで,昨日の日記で紹介した気象庁の名誉回復をかけた思い切った雪予報は当たったかに見えますが……。

予報吹き飛ばす猛吹雪
気象庁また降参
“天気図づくりに数時間”
台湾坊主大あばれ
気象庁でもさる四日の“大はずれ予報”に泣いたばかりなので,昨日の十一日午後には「雪」をいち早く予報したものの「これほど降るとは……」と大あわて。(12日付読売新聞夕刊)

この大雪のため,例によって国電(当時)はポイント故障が相次ぎ,ダイヤは大幅に乱れました。「国鉄運休は史上最大」(13日付日経朝刊)ともいわれています。懐かしの玉電(東急玉川線)はラッセル車がなかったため,世田谷区三宿付近で13台が立往生したほか各地で電車が閉じ込められ,運転が不可能になりました。

一方,雪の影響を受けなかった地下鉄は“殺人ラッシュ”。窓が割れ,けが人続出,機動隊まで出動する始末でした。とはいうものの,殺人というわりには誰も死ななかったようです。

またこの日,東大人文系大学院(修士課程)の入試が,反代々木系学生の妨害を避けるため,学内ではなく代々木ゼミナールで行なわれましたが,この雪の影響で試験は20分遅れてはじまりました。地方からの上京組も多く,「この雪だし,場所はわからないし……」とボヤく学生も多かったとか。

ちなみに,“反代々木系”といっても別に“親身の集金 日々是決算”の予備校に反対していた集団でないことはいうまでもありません。

反代々木系といえば,日大の反代々木系のボス,日大全学共闘会議議長の秋田明大(23)という人物が,渋谷区神宮前の知人宅に潜伏中,雪かきをしているところを通報され,逮捕されたのもこの日でした。

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