白木屋の大招牌落ち 慶應生徒の重傷(1919年)

1919年3月20日付東京日日新聞より:

昨夜東京に 大疾風襲来

昨夜七時頃より疾風起りて猛烈に吹捲くり市内各所の招牌屋根等を吹き飛ばし電燈線も所々に故障を生じ品川附近は雹さへ降りたり同夜九時中央氣象臺の報告に據れば十九日夕刻西空に雲現はれ東方に向かつて擴張し來り恰も雷雨の襲來せんとする模樣ありしが午後七時廿分頃より急風起りて砂塵を飛ばし猛烈なる勢いを以て吹募り八時には風速廿二米突に逹し夫より漸次衰ふるに至り又八時頃より雨を伴ひ八時十五分より雷雨となれり

午後7時ごろ,白木屋呉服店の2階に掲げてあった大きさ2間半×2間の大看板が吹き落とされ,通行中の慶應普通部の生徒♂(17)の頭を直撃,生徒は重傷を負いました。

この“疾風”は日本海から北海道に進んだ低気圧(いわゆる日本海低気圧)と寒冷前線の通過によるもののようで,関東地方から北海道にかけて銚子23.5m/s,前橋26.8m/s,秋田26.7m/s,函館21.4m/s,寿都27.3m/sなどの強風が観測されています。

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