強風の成田空港 脱出乗客,次々に転落(1990年)

昨日06時49分に発生したフェデラルエクスプレス航空80便の着陸失敗炎上事故は記憶も生々しいですが,1990年の今日3月24日,ところも同じ成田空港で強風による事故がありました。

14時10分ごろ,成田に到着したキャセイ・パシフィック航空508便トライスター機(乗員18人,乗客283人)が誘導路を走行中,突風であおられて機体が傾き,主翼の一部が壊れて燃料が漏れ出しました。火災の恐れがあるため乗客全員が非常脱出用の脱出スライドで機外に出ようとしたところ,スライドが風にあおられて乗客らが相次いで地上に投げ出され,65人が負傷しました。

この日,日本海を発達しながら低気圧が通過中で,成田空港では朝から強風が吹き,13時には22.1m/sの瞬間風速が観測されました。

内陸部の丘陵地帯につくられた成田空港はもともとウインドシアの発生しやすいところとして知られており,こんなところに無理矢理空港をつくった連中に責任の少なくとも一端はあるでしょう。