有名な台風中継のヤラセ動画↓
最後の1~2秒によってそれまでの苦労が水の泡,ただのヤラセだったことがバレてしまいました。
これは2005年の14号のときのものです。
人間が風の中で立っていることのできる限界は20m/s程度といわれていますが(体験済み(笑)),これはあくまで一様な空気の流れの中での話であって,実際の風にはいわゆる風の息があるために前後左右にゆさぶられることになります。これではバランスをとるのが精一杯で,とてもレポートなどできません。まあ,それでもレポーターはせいぜいマイクしか持っていないので楽でしょうが,川口探検隊的にいえば真っ先に洞窟にはいらなければならないカメラマンや照明さんはどうなんでしょうねえ……。
結局,何か物体が飛んできたりする危険なども考えると,限界は10m/sってところではないでしょうか。いずれにしても“台風中継”ができるということはレポートできる程度の風しか吹いていないということであり,裏を返せば風は吹いているけれどもさほどでもないということを身をもって知らせているわけです。
この視点からすると,民放が好きこのんで「ものすごい風です!!」とかやっている台風中継はすべてヤラセだと思って間違いないでしょう。ギョーカイではヤラセではなくヤリというらしいです。
1965年9月18日未明,台風24号の現場中継のために東京・江東区方面に出動していたラジオ関東(現・ラジオ日本)の取材車が,記者やアナウンサーら6人を乗せたまま晴海埠頭から海に転落,全員死亡するという事故が起こりました。光る海面を舗装道路と見間違えたのだろうといわれていますが,全員が死亡したため真相はわかりません。
ヤラセではない本当の台風中継がいかに危険なものかがわかります。
なお,この台風は福井県の西谷村に記録的な大雨を降らせ1,廃村のひとつの原因となりました。これについては秋雨前線と台風 | Notenki Express 2014をご覧ください。
- 宮澤清治『近・現代 日本気象災害史』には奥越豪雨とあります。 ↩