森山享はなぜ遭難したか (1976年)

このタイトルはもちろん『洞爺丸はなぜ沈んだか』へのオマージュです。ちょうどそんな時期ですし。ちなみに『宇高連絡船 紫雲丸はなぜ沈んだか』という本もあります。

1996-1997年に放送されたNHKの朝ドラ「ふたりっ子」で,森山史郎の父親のベテラン漁師森山享がシケに遭って帰らぬ人となったのは1976年9月25日ということになっています。なお,森山享は名前が出てくるだけで,回想シーンを含めて本人は出てきません。

森山享は

相手の指し手を読むより,海の機嫌を読むほうがずうっと易しい。

が口グセでした。このようなベテラン漁師が遭難したのですから,台風の接近とかでよほどの大シケだった……と思いきや(もっとも,そんなときは出漁を見合わせるでしょうけれど),当日の天気図を見るとどうもシケるような感じはまったくないのですが(笑)

森山享の遭難は息子の史郎が真剣師佐伯銀蔵

おととい,漁に出る前に,ぼくにこれを渡して,もし自分が帰らなかったら,あさって香住の水月館で待っている佐伯銀蔵に渡してくれって。

と伝えに来て,将棋の駒を渡そうとするところでわかるのですが,シケで遭難したとすれば当然のことながらシケがおさまるまで救助活動はできません。それを考えると,一昨日漁に出て,シケで遭難して,今日死亡が確認されているというのはあまりにも段取りがよすぎます。

もしかするとこの遭難は,享は末期ガンか何かで,史郎に保険金を残すために仕組んだ事故に見せかけた自殺だった――のかもしれません。

ちなみに,こういう感じでサスペンスドラマなどをお天気的に分析(こじつけ?)するような悪い趣味がはじまったのは(さらにはよせばいいのにロケ地めぐりをするようになったのは),実はこの森山享の遭難の原因に疑問をもったことがはじまりでした。

その中でいちばんボロクソにこき下ろしたのは2002-2003年の朝ドラ「まんてん」でした。あれは最悪でしたね。

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