渋谷の地下街が水没?!

東京都内を中心に29日夜、激しい雷雨に見舞われ、150棟で床上、床下浸水した。JR渋谷駅前の地下街が約30センチも水につかるなど、住宅や商店が被害を受け、夏休み最後の日曜日を豪雨が直撃した。東京消防庁によると、中野区で計28棟が床上浸水、練馬、豊島区などで住宅計122棟が床下浸水した。
[毎日新聞 08月30日]

29日夜というのはもちろん今日の夜ではなく,1999年8月29日の夜です。

ちなみにこの日,小机駅近くの横浜国際総合競技場では,土砂降りの雨にもかかわらず,B’z LIVE-GYM’99 Brotherhoodが行なわれたそうです。はじめから降っていたわけではなく,途中から降り出したようですね。

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3日ぶりに全般気象情報

本日15時55分,気象庁から大雨と雷及び突風に関する全般気象情報第1号が発表されました。全般気象情報の発表は3日ぶりです。

大雨と雷及び突風に関する全般気象情報 第1号
平成20年8月28日15時55分 気象庁予報部発表
(見出し)
 東日本と北日本では、南から非常に湿った空気が流れ込んで29日夜にか
けて大雨のおそれがあります。東海地方や関東地方では既に大雨となり、土
砂災害の危険性が高くなっている所もあります。土砂災害や河川の増水、は
ん濫、低地の浸水に警戒して下さい。
(本文)
[気象状況等]
 北海道から本州付近にかけて前線が停滞しています。また日本の南には動
きの遅い低気圧があって、この低気圧の東側を回り込む非常に湿った空気が
前線に向かって流れ込み、東日本や北日本で雨となっており、一部で大雨と
なっています。15時現在、愛知県の一部ではこれまでの大雨により、土砂
災害の危険性が高い状態が続いています。
 強い雨の地域は北日本にも拡大しており、東日本、北日本で29日夜にか
けて大雨となる見込みです。また大気の状態が不安定となるため、積乱雲の
発達による落雷や突風にも注意が必要です。
[雨の予想]
  
 29日18時までの24時間に予想される雨量は、いずれも多い所で
  東海地方、            180ミリ
  関東甲信地方、北陸地方、東北地方 150ミリ
  北海道              100ミリ
 また、29日18時までに予想される1時間の最大雨量は40ミリから6
0ミリで、局地的に80ミリの見込みです。
[防災事項]
 土砂災害、河川の増水、はん濫、低地の浸水、落雷や突風に注意、警戒し
て下さい。
[補足事項]
 地元気象台の発表する警報、注意報、気象情報に留意して下さい。
 次の「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報」は、29日05時頃に発
表する予定です。


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全然深厚なる大風

1899年8月28日,台風が九州南部に上陸,その後速い速度で四国,中国地方を通り,日本海に抜けました。

この台風は,例えば“別子銅山 台風”などでググるとけっこうヒットするので,古い割にはけっこう知られているようです。良質なサイトも多く,σ(^^)がとくにつけ加えることはないでしょう。

これだけというのもアレですので,1899年9月1日付東京朝日より:

去廿八日大隅國大島の南東方より九州の南端に向て襲來せし低氣壓は同日午後二時に於ては其深度左まで大ならざるが如き觀ありしが漸時北東に進行して其中心の四國中央を縱貫するに當ては全然深厚なる大風となり午後九時多度津附近を經過せしときは實に七百二十四粍四の低度に達し同地及び其對岸岡山に於ては颶風となり多度津の風速度は一秒間五十二米即ち一間面に對する直壓力二百八十六貫に及べり爾來中心は一時間約六十哩の大速度を以て日本海に突出し廿九日午前六時には既に其所在を決するに至れり・・・・・・

風速を風圧に換算するあたり,今よりも高度な記事かも……(笑) どういう意味があったのかはわかりません。ちなみに,風圧は風速の2乗に比例し気温(絶対温度)に反比例します。

ところで,記事の中に「全然深厚なる大風となり」とあり,今流の「全然おいしい」と同じような使いかたです。今では言葉にうるさい人が文句をいいそうな“全然”の使いかたですが,当時は一般的に使われていた表現でした。

もし「全然おいしい」といって文句をいわれたら,本来の使いかたを知らんのか,このヴォケが!!!と文句をいいかえすことも可能です(笑)

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気象管制・報道管制下の台風

太平洋戦争中の気象管制・報道管制下の日本を襲ったおもな台風は5つほどありますが,その中で最も大きな死者・不明者を出したのは1942年8月27日に長崎県に上陸した台風です。周防灘台風とよばれます。

この台風はサイパン島の東方海上から北西に進み,奄美大島の北方で転向,27日夕方長崎付近に上陸後,対馬海峡から日本海にはいり北東に進んでいきました。九州に接近する直前の中心気圧は今の単位で935~940hPa程度と推定される強い台風で(ちなみに,当時はmmHg=粍を使っていた),日本列島が台風の進行方向右側にはいったため,西日本の広い範囲が暴風域にはいりました。

さらに,台風の通過が満潮時と重なったため,瀬戸内海西部などで大規模な高潮が発生,とくに周防灘は200年来という高潮に見舞われました。

下関測候所による関門海峡の潮位は,27日18時には290cmだったのが19時330cm,20時380cmに上昇,台風が日本海に抜けてからの21時に430cm,23時前には460cmまで上昇しました。

この台風による被害は,中央気象台『気象災害年表』によると,死亡・不明1158人,負傷者1438人,家屋全壊33283戸,同半壊66486戸,同流失2605戸,同浸水132204戸などとなっています。

気象管制や報道管制などというものがなければ,これほど多くの被害を出さなくてもすんだことは間違いありません。その意味で,戦争犯罪人が招いた災害ということもできるでしょう。

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米軍のきわめてまれな善行

1962年8月26日朝,台風14号が潮岬付近に上陸,そのあと三重県から福井県に抜けました。

1962年台風14号経路図

この日の午後,毎度のことながら多摩川でのんきに釣りをしていたマヌケな連中がいました。夏休み最後の日曜日ということもあったのでしょう。

そして,急な増水で中州に取り残されるという,これまたありがちなパターン。しかも折からの17~18m/sの強風で救助隊は立ち往生,警視庁や自衛隊のヘリも離陸できない状態でした。

こうした中,果敢に救助に向かったのは立川基地所属の米軍36空軍救助中隊の大型ヘリ。のちに警視総監から感謝状が贈られました。誤爆しか能のない米軍も,ごくまれにいいことをすることがあるものです。あくまで例外中の例外でしょうけれど。

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露座の大仏 おわします

明応七年八月二十五日ユリウス暦で1498年9月11日),北緯34度,東経138度付近を震源域とするマグニチュード8.2~8.4と推定される巨大地震が発生しました。何代か前の東海地震と考えられており,明応東海地震とよばれます。

津波による被害が大きく,合わせて3万人以上が犠牲になったようです。

現在露座である鎌倉の大仏さまは,昔はちゃんと大仏殿があったのですが,このときの津波で破壊されて露座となったものです。能天気Express~新世界版~ 稲村ヶ崎の奇跡も合わせてご覧下さい。

また,淡水湖だった浜名湖の南側が津波に洗われて海とつながりました。

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50万人の足が奪われたJR東日本の体たらく

1999年8月24日,寒冷前線の通過により,首都圏は夕方から夜にかけて激しい雷雨となりました。この影響で,山手,中央,京浜東北線が相次いで運転見合わせ。それだけならともかく,バックアップ用の送電線まで被雷するというお粗末ぶりを発揮しました。

 寒冷前線の通過に伴い、首都圏は24日夕から夜にかけて、激しい雷雨に見舞われた。落雷により、JR東日本では山手、中央、京浜東北など12線が午後6時半前から相次いで運転を見合わせた。営団地下鉄や西武線も一部区間で一時、運転中止となった。各線のダイヤの乱れは25日未明まで続き、約50万人に影響が出た。JR東日本は「落雷事故としては会社発足以来最大」としている。気象庁によると、東京都練馬区で1時間に60ミリを超える雨量を観測した。東京・多摩地区では延べ12万3000世帯が一時停電したほか、神奈川県や埼玉県でも一部地域で停電した。
 JR東日本によると、午後6時25分ごろ、東京都昭島市のJR拝島駅付近で落雷があり、付近の信号機がすべて赤表示となった。このため、青梅線などで運転を中止した。

 午後7時20分ごろには、都内の小金井市と横浜市を結ぶ送電線に落雷。首都圏7路線への送電が一斉に止まり、中央、山手、京浜東北、高崎線などがストップした。別の変電所からの送電に切り替え、1時間から2時間後に順次運転が再開された。

 しかし、中央快速線豊田駅近くの信号故障で再開に手間取り、運転再開は25日午前零時半過ぎとなった。満員の乗客を乗せた電車数本が、3時間以上にわたって駅間で立ち往生したり、飯田橋駅付近で一部の乗客を線路上に降ろしたりした。埼京線も保安装置の故障で再開が遅れた。
 横浜線や南武線も別の落雷の影響で運転を中止したほか、営団地下鉄東西線や西武拝島線も乱れた。

 東京都の午後11時現在のまとめによると、あきる野市でほぼ全域にあたる2万3000戸、青梅市で3万戸、八王子市で2万戸など計7万4000戸余りが停電した。また、練馬区や青梅市などで9棟が床上、25棟が床下まで浸水したほか、14カ所の道路が冠水し、瑞穂町の都道2カ所が通行止めになった。
 東京電力によると、神奈川県内では午後7時すぎから横浜市鶴見区と川崎市中原区で延べ8920世帯が、埼玉県内でも午後6時半ごろから浦和、所沢、川越などで延べ6750世帯が停電した。(01:09)
asahi.com 1999/08/25(Wed)

ちなみに,中央線が止まったのはσ(^^;)が駅を出た直後でした。というわけで,間一髪で難を逃れました。

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船遊び中 娘二人溺る

1922年8月23日,北西に進んできた颱風が,小笠原諸島の西を通って八丈島の南西まで達していました。

中央気象台ではこのまま北西に進むと予想しており,新聞にも

東京は助かった 問題の颱風は土佐沖に
四國九州は今日大荒れだらう
(1922.08.23 東京朝日朝刊)

稀有の颱風襲来
大正六年のより更に猛烈でけふ思ひやる關西方面の被害
(1922.08.24 東京朝日朝刊)

などとあります。藤原ハカセは「上陸しないだろう」とも語っています。

ところが,予想に反して颱風はこのあと北東に転向し,24日に東京湾から房総半島に上陸し鹿島灘に抜けることになります。

さて,颱風が東京湾を目指して(?)接近していた23日の夕方,千葉県の寒川海岸(今の千葉市中央区のどこかにあったらしい)から1艘の舟を漕ぎ出した2人の“才媛”がいました。木嶋眞由美(20=仮名)さんと松田倫子(20=仮名)さんです。

風が出てきたので他の友だちが注意を与えたにもかかわらず漕ぎ出してしまった,との証言もあり,これだけを見ると今流にいえば“DQNの船出”のようなものですが,一方で「兩人は海の荒れるのを知りつゝボートで乘出したので或は同性の戀に落ちて情死を計つたのではないか」(1922.08.25 時事新報夕刊)との噂もありました。

2人はのちに水死体となって発見されたこともあり(ただし,残念ながら別々に),今となっては真相はわかりません。

なお,このときの颱風はこの時点ではこの程度の颱風でしたが,約1週間後には台風史に名前を残す颱風になります。日本海軍史に詳しい人なら誰でも知っているはず……だそうです。


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天気予報は黒星スタート

1945年8月22日,天気予報が復活しました。この日12時にラジオで放送された予報についてはいろんな本に出ていますので,ここでは17時に発表された翌日の予報を紹介しておきます。

[關東地方]
北東の風,曇り勝で山岳地方ではなほ驟雨がありませう

というようなものでした。

ところが,すでに房総半島の南東沖に接近していた豆台風が,当時の観測網から完全に漏れていました。

この台風は22日20時ごろ房総半島に上陸,横浜から関東地方北西部を通過し,翌23日能登半島付近からから日本海へ抜けました。東京では,台風が最も接近したと思われる23日00時,風速20.3m/sが観測されました。

豆颱風,關東を荒す
帝都の壕舎三百吹飛ぶ
(8月24日付朝日新聞)

かくして天気予報の復活第1号は惨憺たる黒星となりました。

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台風11号が上陸

2001年8月21日,台風11号が和歌山県串本町付近に上陸しました。

平成13年 台風第11号に関する情報 第74号
 平成13年8月21日19時20分 気象庁予報部発表
(見出し)
台風第11号の中心は、21日19時過ぎ、和歌山県南部(串本町付近)
に上陸しました。
(本文)
なし

最近のことにはあんまり興味が起こりませんので,ネットで拾った新聞記事から。

<台風11号>和歌山・串本付近に上陸 22日朝、関東直撃か(毎日新聞)

 台風11号は21日午後7時すぎ、和歌山県串本町付近に上陸した。和歌山県に台風が上陸したのは98年9月の台風8号以来。四国東部や近畿の中・南部地方、三重県南部が相次いで暴風域に入り、各地でがけ崩れや床下浸水などの被害が出た。大阪管区気象台によると、台風は勢力をやや弱めながら22日午前6時には、甲府市の南西約30キロを中心とする半径110キロの円内に達し、関東地方から東北、北海道へと北上する見込み。

 気象庁の観測(21日午後6時現在)では、中心気圧は970ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は30メートル、中心から半径130キロ以内では風速25メートル以上の暴風となっている。また、中心から半径460キロ以内は風速15メートル以上の強い風が吹いている。

 降り始めから21日午後7時までの雨量は、奈良県・大台ケ原で742ミリに達したほか、和歌山県・那智勝浦717ミリ▽滋賀県彦根市53ミリ▽奈良市33ミリ▽和歌山市29ミリ▽京都市27ミリ▽大阪市19ミリ――などを記録した。

 最大瞬間風速は高知県室戸市の51・3メートル(21日午前9時7分)を最高に、神戸市35・7メートル(同11時32分)▽和歌山県串本町38・2メートル(同午後0時半)▽岡山市30・1メートル(同3時51分)――などを記録した。

 台風による被害は21日午後6時現在、死者が三重で1人、けが人が兵庫、奈良、広島、高知、大阪などで計16人。床下浸水は愛媛、京都などで127戸、建物の一部損壊は香川などで3戸に達した。がけ崩れは奈良県などで10カ所、道路損壊は和歌山、奈良などで3カ所。自主避難を含む避難者は、和歌山、香川、徳島などで計延べ7359人。停電は近畿、四国各地で延べ4万220世帯に上った。

 交通機関にも影響が出た。JRは関西空港線で強風のため朝から深夜まで運転を見合わせたほか、夕方には東海道新幹線の静岡―浜松間が一時運休した。道路では台風の上陸した和歌山県内の国道42号が古座町内で波をかぶり、断続的に通行止めになるなど、和歌山、奈良県両県内で山間部を中心に通行止めが相次いだ。

 空の便は九州、四国方面を中心に欠航が相次いだ。航空各社によると22日は早朝から名古屋、羽田発着の便を中心に欠航が増える見込みという。

[毎日新聞8月21日] ( 2001-08-21-21:49 )


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