慶大生と心中した令孃の死體盜まる

タイトルは1932年5月11日付東京朝日新聞夕刊の見出しから。

慶大生と心中した令孃の死體盜まる
假埋葬中竒怪な亊件

ちなみに同日の読売新聞夕刊の見出しは

情死した令孃の死體を盜み去る
大磯心中の怪亊件

事件の発端は,1932年5月9日に大磯駅裏の坂田山で男女の心中と思われる死体が発見されたことです。男性は慶應大の制服姿で,女性は錦紗の和服姿で死んでいました。

当時の新聞を見ていると心中事件はとくに珍しくはなく,これだけだったらさほど注目されることもなかったでしょう。実際,例えば東京朝日新聞の第一報の見出しは小さく,となりの

母子心中で死んだ妻を追って自殺
川崎怪死體身許判る

のほうがはるかに目立ちます。

ところが翌10日になって女性の死体が夜のうちに盗まれていたことがわかり,猟奇事件として注目を集めることになります。ここから先は私の守備範囲からはずれますので,坂田山心中事件 – Wikipediaとか坂田山心中事件(事件史探求)などをご覧ください。

実はこの事件の後日談的な話を心霊現象的なこわい話を扱った本で見たことがあるようなおぼえがあるのですが,何だったかなぁ……。

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井の頭公園に他殺死体!!

1994年5月10日の深夜,井の頭公園で週刊誌記者の他殺死体が発見されました。(内田康夫『幸福の手紙』)

この作品が出版されたのは1994年8月でしたが,同年4月に井の頭公園バラバラ殺人事件が起こっており,『浅見光彦のミステリー紀行第7集』によるとやはりこの事件を多少参考にしたようです。

幸福の手紙は今のところ1度も2時間サスペンスドラマ化されていません。理由はわかりませんが,“捜査中”の事件と似たような事件が出てくるからなのかもしれません。

ちなみに,井の頭公園バラバラ殺人事件は犯人が見つからないまま2009年4月23日に公訴時効が成立しています。

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赤坂ワイドホテルで変死体

5月8日,赤坂ワイドホテルで弘前の古本店主の変死体が発見されました。(内田康夫『津軽殺人事件』)

津軽殺人事件が2時間サスペンスドラマ化されたのは1回だけです。

  • 20011130 金曜エンタテイメント 浅見光彦シリーズ13 津軽殺人事件 “幻の太宰治肖像画の怨霊が死を招く・・・殺された父が残した謎の言葉と消えたコスモスが真相を暴く!”

“榎木光彦”です。

ちなみに,榎木孝明氏は次作のシリーズ14 黄金の石橋を最後に光彦から兄の警察庁刑事局長の陽一郎に“昇格”しています。ただし刑事局長としての登場はシリーズ17の秋田殺人事件からです。

なお,津軽殺人事件が月曜ゴールデン(または前身の月曜ミステリー劇場)でドラマ化されなかった理由はわかりません。

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親王塚前に中年男の死体

5月3日,長野県南佐久郡相木村の親王塚前で中年男の死体が発見されました。(内田康夫『菊池伝説殺人事件』)

相木村は実在せず(実在するのは南相木村と北相木村),親王塚もまた

役場で親王塚の場所を聞いたのだが知らなかった。軽井沢のセンセの想像の場所らしい。(『浅見光彦のミステリー紀行第4集』)

とのことです。

菊池伝説殺人事件は2回2時間サスペンスドラマ化されました。

  1. 20050401 金曜エンタテイメント 浅見光彦シリーズ21 熊本・菊池伝説殺人事件 “清少納言から西郷隆盛伝説の一族を襲う連続殺人!”

  2. 20110207 月曜ゴールデン 内田康夫作家30周年浅見光彦シリーズ29 菊池伝説殺人事件 “火の国熊本で出会った謎の美女と名門一族を襲う連続殺人!一門の掟と哀しき恋・光彦が見た血塗られた記憶”

両ドラマとも秩父事件の扱いがあまりにもヒドかったです。

さらに月曜ゴールデンのほうは内田康夫作家30周年などと仰々しい副題がついているにもかかわらず,駄作に近いドラマでした。なにより沢村光彦の老け具合が……。

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花の猪苗代に猛烈な吹雪

1935年5月3日付福島民報より:

豬苗代町龜ヶ城の櫻花は今が見頃の三十日午前十時頃から,雪が降り出し地方民を驚したが翌一日午前三時頃から雪となり人々が目覺めた頃には木と言ふ木にみな花が咲き,どれが花やら雪やらまつたく見當つかな風景が描き出され午前中ずうつと牡丹の樣な雪が降り續き午後にない猛烈な吹雪と化し櫻花と雪とが入り亂れて飛ぶ有樣は美麗なうちに淒みをおびて一寸形容の出來ない風景であつた

ちなみに,亀ヶ城猪苗代観光協会 猪苗代・磐梯を遊ぶ 史跡によると,

磐梯山南麓の泥流地形突端部に築かれた平山城で、中世この地を支配した猪苗代氏代々の居城でした。戊辰戦争によって建物等は焼失してしまいましたが、明治時代に整備され今ではお城山公園と呼ばれて町民の憩いの場になっています。頂上に米国アラメダ海軍航空隊基地協会より日米友好の証として寄贈された野口英世の胸像があります。

とのことです。

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フェリーから乗客が転落し行方不明に (平家伝説殺人事件)

5月2日,前日の18時20分に東京を出港した高知行きフェリー「しーふらわー号」から男が転落しました。しかし,死体は発見されませんでした。(内田康夫『平家伝説殺人事件』)

平家伝説殺人事件は3回ほど2時間サスペンスドラマ化されました。

  1. 19870908 火曜サスペンス劇場 浅見光彦ミステリー1
    “高知-那智勝浦-名古屋,連続転落死事件の奇妙な符合を追え!!”

  2. 19990702 金曜エンタテイメント 浅見光彦シリーズ8
    “落人の子孫は、村から出ると不幸に!八百年前の恨みが今、蘇る! 故郷も年齢も同じ二人の男が死亡した。密室に秘められたトリック!! おごれる者は久しからず…落人伝説の地によみがえる死者の怨念!! 2年前のフェリーの同乗者を襲う魔物の影”

  3. 20051226 月曜ミステリー劇場 浅見光彦シリーズ21
    “平家の怨念が最後の清流・四万十川を血で染める!?愛に飢えた女の孤独と哀しい運命”

金曜エンタテイメントの長すぎるサブタイトルが異様です(笑)

平家伝説殺人事件は原作ではプロローグに伊勢湾台風が描かれており,これが伏線になっていくわけです。火曜サスペンス劇場と金曜エンタテイメントではきちんと伊勢湾台風として扱われており,とくに金曜エンタテイメントは放送された1999年が伊勢湾台風からちょうど40年目ということもあり,榎木光彦が現地の慰霊碑などを訪れています。

ところが月曜ミステリー劇場では沢村光彦は現地にも行かず,名古屋新聞(?)の見出に出てはきますが,

巨大台風18号 明日にも上陸か
死者は52人に
伊勢湾台風以来の被害に

台風18号の片隅に追いやられていました。

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