お天気サイドから見た8耐としてもっとも興味深い1982年の“6耐”については前々回詳しく(?)取り上げたので,ここでは1991年を取り上げます。
南西諸島付近に台風9号があり,西日本に停滞している前線に向かって湿った空気が流れ込むという状況で,予選が行なわれた土曜日から不安定な天気が続いていました。決勝当日も夜明け前ににわか雨が降り,スタート直前にも雨が降り出すという変わりやすい天気で,全車レインタイヤで水しぶきを上げながらスタートしました。
ちなみに,スタートから1時間30分も前なのであまり参考にはなりませんが,10時現在の鈴鹿サーキットの気象状況は天候くもり,気温26.2℃,湿度75%,気圧1004mb,路面温度31℃でした(BS1の生中継を録画してあるビデオより)。ついでに,津地方気象台発表の三重県北中部の天気予報は「東のち西の風 曇一時雨 所により雷を伴う」でした。
スタート直後に雨が止み,コースはほとんどドライまで回復しましたが,2時間経過したころから再び強い雨が雷を伴って降り出し,2時間半を経過したころには積乱雲におおわれて鈴鹿サーキットは真っ暗になり,真昼にもかかわらず“ライトオン”(ライトを点灯せよ)の指示が出ました。ライトオンは10分ほどで解除されたものの,その後も変わりやすい天気が続き,優勝争いに影響を与えました。
パワーに勝るホンダワークスのガードナー/ドゥーハン組でしたが,ルーチンストップにこだわったためかタイヤ選択がチグハグで,常にヤマハのマギー/チャンドラー組に追いかけられ追い越される展開でした。しかし,145周目に先頭のマギーが逆パンクで転倒し,大勢が決しました。