台風5号は温帯低気圧に

本日15時,台風5号温帯低気圧に変わりました。

平成20年 台風第5号に関する情報 第29号 (位置)
平成20年6月3日15時45分 気象庁予報部発表
(見出し)
 台風第5号は温帯低気圧に変わりました。
(本文)
 台風第5号は3日15時に温帯低気圧に変わりました。
中心は日本の東の
北緯33度、東経143度にあって、
1時間におよそ45キロの速さで北東へ進んでいます。
中心の気圧は992ヘクトパスカル
最大風速は25メートルで
中心の東側950キロ以内と西側560キロ以内では
風速15メートル以上の強い風が吹いています。
 24時間後の4日15時には
日本の東の
北緯34度00分、東経150度00分を中心とする
半径190キロの円内に達する見込みです。
 なお、温帯低気圧の中心が予報円に入る確率は70%です。
これをもって台風第5号に関する情報は終了します。
なお、台風から変わった低気圧の周辺では引続き強い風が吹いています。
今後は海上警報等を利用して警戒して下さい。

昔流にいえば,“台風くずれの低気圧”です。

相国寺の七重大塔が落雷により炎上

今日の事件から――:

AD1403/06/03 相国寺の七重大塔,落雷により炎上,焼失

相国寺の七重大塔は,応永六年(1399年)に完成し,高さが109mあったといわれます。しかし,あまりの高さのために雷さまの怒りをかったのか,落雷で(戦火もあったかもしれません)短命に終わった塔です。

応永十年六月三日(ユリウス暦1403年6月22日)に落雷によって焼失,再建中の応永二十三年一月九日(ユリウス暦1416年2月7日)にも落雷で焼失,そして文明二年十月三日(ユリウス暦1470年10月26日)にみたび落雷により焼失し,以後再建されることはありませんでした。最後の焼失については「応仁記」に次のようにあり(『日本気象史料』からの孫引き),

番衆見て申けるは猿の如くなる物塔の重々に火を付けるに燒けるとぞ申ける

猿による放火という目撃談?!もあります。

ちなみに,今も古都の玄関の象徴としてそびえる高さ55mの東寺(教王護国寺)の五重塔もたびたび落雷に遭っています。『日本気象史料』にあるだけでも,886年,1055年,1270年,1337年,1389年,1436年,1439年,1563年の7回あります(見落としがあるかも)。

その他の今日の事件――:

AD1951/06/03 第18回日本ダービー東京競馬場),9戦9勝のトキノミノルが2分31秒1のダービーレコード(当時)で快勝し,無敗の二冠馬に

しかし,17日後の6月20日に破傷風による敗血症で死亡,幻の名馬とよばれています。

台風5号は本日午後には温低に変わる見込み

気象庁本日10時20分発表の台風5号に関する総合情報。

平成20年 台風第5号に関する情報 第23号
平成20年6月3日10時20分 気象庁予報部発表
(見出し)
 台風第5号は、3日9時現在、伊豆諸島南部に最も接近しています。3日
夜のはじめにかけて、伊豆諸島や東日本の太平洋側の一部では非常に強い風
を伴い大しけとなりますので警戒が必要です。
(本文)
[現況]
 台風第5号は、3日9時には八丈島の南約180キロの海上にあって、1
時間におよそ40キロの速さで北東へ進んでいます。中心の気圧は990ヘ
クトパスカル、最大風速は25メートル、最大瞬間風速は35メートルとな
っています。
[今後の予想]
 台風は、現在の勢力を保ちながら八丈島の南東海上を北東へ進み、3日午
後には関東の南東海上で温帯低気圧に変わる見込みです。
[防災事項]
<強風・高波>
 台風第5号は、3日9時現在、伊豆諸島南部に最も接近しており、伊豆諸
島南部では波の高さが6メートルを超える大しけとなっています。伊豆諸島
北部や関東地方の沿岸部でも、3日夜のはじめにかけて、海上を中心に非常
に強い風が吹き、大しけとなる所があるでしょう。
 3日夜のはじめにかけて予想される最大風速は、
 伊豆諸島     20から23メートル
 東日本の太平洋側 15から20メートル
 波の高さは
 
 伊豆諸島 7メートル
 関東地方 6メートル
  
の見込みです。
 高波や強風に、注意・警戒してください。
[補足事項]
 今後の台風情報や地元気象台が発表する注意報、警報、気象情報などに留
意して下さい。
 台風第5号に関する情報(総合情報)はこれで終了します。

台風5号列伝(1)

台風5号が接近中です。上陸はしない見込みのようですが,梅雨前線が刺激されるのと東よりの風が強まるのとで,南西諸島,伊豆諸島,西日本から東日本にかけての太平洋側で大雨のおそれがあるもようです。

というわけで,能天気Expressで忘れたころに登場する台風××号列伝(ただし,オリジナル2014版では今回がはじめてかな),もちろん敬意を表して(?)5号を取り上げます。数ある5号の中から今回は1982年の5号に登場してもらいましょう。

台風の進路予想を予報円を使って表わす今のスタイルの原型がはじまったのは1982年6月(それまでは扇形で表わしていた),その最初のケースとなったのが5号でした。

5号そのものは温帯低気圧に変わってから北海道に上陸はしたものの,日本列島に“接近”した台風ではなく,しかも最盛期でも中心気圧975mb,中心付近の最大風速35m/sという,当時のよびかたでは“中型で並”の台風でした(ちなみに,現在の分類では“強い”に当てはまる)。しかし,気象庁の予報が「進路・速度とも大違い」したのがもとで,金華山沖を航行中のカツオマグロ巻き網漁船2隻が遭難,乗組員1人が死亡,1人が行方不明になるという惨事を招きました。惨憺たる予報円のデビューでした。

なお,気象庁の台風予報が外れたことが引き起こした惨事では,1965年10月に起こったアグリガン島海難事件が最も有名でしょう。