台風6号Fengshenが発生し,フィリピンあたりをウロウロしています。
歴代の6号を見てみると,なかなか興味深い台風があります。
まず,1961年の6号。6月26日21時に四国沖で台風になり27日15時には“弱い熱帯低気圧”に戻った短命の“弱い”台風でしたが,梅雨前線を刺激して昭和36年梅雨前線豪雨の原因のひとつとなった台風でした。
1965年の6号Amyは,5月27日に千葉県館山市付近に上陸しました。51年ぶりとなる台風の5月上陸でした。
この台風は前線を刺激して,関東・東海地方などに大雨を降らせました。キーストンが逃げ切った泥んこの日本ダービーをもたらしたのはこの台風です。このダービーについては能天気Express~新世界版~ 泥んこダービー(の後半部分)をご覧下さい。
また,前年に開通したばかりの東海道新幹線が全線で不通になり,雨に対する脆弱さを露呈しました。
ちなみに,東海道新幹線はこの年の12月,雪に対する弱さも天下に晒すことになります。これについては能天気Express~新世界版~ 1084mbのシベリア高気圧をどうぞ。
1976年の6号Pamelaはグアム島を直撃,日本からの観光客800人が電気が止まり飲料水が不足しているホテルにカン詰めになり,救援機が日本から飛び立つ騒ぎになりました。
最近では2004年の6号Dianmu。6月21日09時半ごろ,強い勢力のまま高知県室戸市付近に上陸しました。その後,「21日13時過ぎに兵庫県明石市付近に再上陸し,21 日午後には京都府舞鶴市付近を通って日本海へ進み,能登半島の沿岸,佐渡沖を通って 22 日 3 時に津軽海峡の西で温帯低気圧に変わった」。
6月20日から21日には、沖縄地方から東北地方にかけて台風接近・通過時を中心に暴風となり、高知県室戸岬で最大風速43.7m/s(最大瞬間風速57.1m/s)、沖縄県南大東島で最大風速28.6m/s(最大瞬間風速48.7m/s)などを観測した。
また、18日から22日にかけての総降水量は、三重県、高知県、徳島県で400mmを超え、九州地方から東海地方にかけ
ての太平洋側で300㎜を超えた所があった。
~気象庁「平成16年台風第6号による6月18日から22日にかけての大雨と暴風」~
この台風によって5人が死亡または不明になっていますが,少なくともそのうち4人は自爆のようなものでした。能天気Express~新世界版~ 楽しい?!高波見物をご覧下さい。
この台風を語るには,加太海岸での“度胸試し”や静岡大学モダンダンス部御一行様の“バーベキューパーティー”に加えて,やはり次の“事件”を抜きには語れません。
21日午後1時10分ごろ、近江八幡市西生来(にしょうらい)町で、ホテルの屋根が台風6号の強風に吹き飛ばされ、すぐ前の国道8号を越えて、約30メートル離れた東海道新幹線の架線上に落下、電線4本を切断した。当時、新幹線は岐阜羽島-京都間で運行を見合わせていたため、惨事にはならなかった。JR東海がクレーン車で屋根の撤去作業を続け、午後8時10分、約7時間ぶりに運転を再開したが、列車は運休が相次ぎダイヤは混乱した。
滋賀県警などによると、屋根は幅10メートル、長さ約40メートルのトタン板製。ホテルは今年4月に改装オープンしたばかりで、トタン屋根は今年1月、雨漏り防止と断熱目的で従来の屋根を補強するため設置したという。
屋根は、高さ約20メートルの位置にあり、強風にあおられ約40メートルまで舞い上がった。架線に落下した際、トタン板の中央部分が折れ曲がって「く」の字型になり、架線全体をまたいだ状態になった。
ホテルの店長(54)は「こんなことになるなんて、信じられない」と肩を落としていた。(京都新聞)
[6月21日23時2分更新]
この記事にはたんにホテルとしか書いてありませんが,いわゆるラブホテルです(笑) このホテル,今も営業しているようです。損害賠償とかはどうなっているのでしょうね?